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2002年10月22日(火) 時代小説の世界 2。。

今日は、中村嘉人氏による「時代小説の世界」第二回を受講。

第二回目では「時代小説は大人の小説」、「時代小説の中の過去」、
「司馬遼太郎と藤沢周平」についての講義だった。

大人とは何か。
氏は、大人とは精神的な成熟を表し、他人の様々な生き方を、
理解できるようになる事だとおっしゃっていたが、
まさしくその通りだと思う。

だが、どうしても理解出来ない生き方もやはりある。

大人の皆さんにはよくおわかりの事と思うが、
誰しも「それはちょっと違わないか?」という生き方や、
考え方をしている人は、身近に結構いたりする。

こちらとしては、何とか理解してあげたいと思うが、その人にとっては、
周りの人達の方が間違っていると思っていたりするので、非常に困る。
取り付く島がないのである。そうなると、もうどうしようもない。
遠くから、見て見ぬ振りである。
まぁそうなると「見て見ぬ振り」も、ある種、大人の一部分かも、と思う。

さて、鬼平犯科帳などの時代考証の話から、無宿人や股旅物の話に及んだ折、
股旅物を何作も書いている長谷川伸の話になった。
長谷川伸の股旅物の時代考証は、学者以上であり、非常に秀逸だそうである。

その話を聞きながら、私は咄嗟に、雷蔵の股旅物「ひとり狼」を思い出した。
無宿人の一宿一飯の生活、一枚布団での寝方や、食事の作法。
細かい描写が随所に見受けられたのを思い出したからである。

だが、調べてみたら、その原作は村上元三だった。
「完本市川雷蔵」を引っ張り出して、長谷川伸名義の原作で調べてみると、
「中山七里」「沓掛時次郎」「鯉名の銀平」の三本を雷蔵主演で撮っている。
しかし残念ながら、私はその三本とも見ていない。
だがこのように、ちょいと脱線して調べ物をするのも愉しい。

さて、氏は「池波正太郎を読むときは、広重の大江戸名所散歩と江戸切り絵図を手許に置いておくと愉しい」とおっしゃってた。
地図や図版も見ながら小説の世界に入り込むのは、絶好だと思う。

その二冊、今日の重要チェックなのである。









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izumi [HOMEPAGE]

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