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2002年11月12日(火) 「剣客商売」に思う。。

今日は、中村嘉人氏の講座「時代小説の世界」を受講。

今回の題材は「剣客商売」である。
池波文学を読み解く三つの鍵(キー)のお話、
「剣客商売」の魅力などについて、とても興味深いお話をたくさん伺えた。
ノートをそのままここに書くわけにもいかないので、
ご興味のある方は、中村氏の著作「池波正太郎。男の世界」を、読んで頂きたいと思う。

さて、「剣客商売」の魅力とは何か。
美しく風情のある江戸を舞台に、
コントラストの効いた存在感のある人物設定や、テンポの良いストーリー。
魅力は、小説の隅々にまで、煌びやかに散らばる星のように無数にある。
それぞれの読み手が、それぞれに様々な魅力を発見しているに違いない。

池波さんは、お散歩するのが好きだったらしいが、
江戸切り絵図を片手に、ふらりと散歩しているように見せかけて、
ある時は、息子大治郎を心配する小兵衛になっていたり、
又、あるいは聞き込みをしている弥七になったりと、
結構、歩きながら、小説の一場面が浮かんだりなどは、あったかも知れない。

主人公の秋山小兵衛は風呂もたくし、料理もする。
二度目の40才年下の若い妻にも、まめに接する。
それを読んでいると、私は、妻に先立たれた明治生まれの祖父を思い出す。
彼は、孫の為に台所に立ち、朝からコーヒーやトーストを用意し、
やはり、小兵衛のように薪を割り、何時間もかけて風呂の準備をする。
小兵衛のモデル、三井老人が明治生まれであったなら、
家の祖父と、価値観はかなり近いものがあったかも知れない。

剣客を読んで、ふと思った事である。






























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izumi [HOMEPAGE]

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