TWILIGHT DIARY
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2002年12月10日(火) |
渡辺貞夫コンサートinKitara。。 |
今日は、キタラでの渡辺貞夫コンサートを見に行った。 渡辺貞夫さんを見るのは、昨年の芸術の森のjazzフェス以来である。
一曲目からフルートで入り、いつもよりフルートでの演奏が比較的多めであった。 何か心境の変化なのかなぁ、とも思う。 だが、そのフルートもサックスも、 たとえ、何かしら本人の心境の変化があったとしても いつもと変わらない、澄み切った青空のような、 どこまでも透明感のある、あの伸びやかな安定した音である。
さて今回、サポートにリチャード・ボナが加わり、 音の色合いがもう一つ増えて、興味深かった。 彼のCDは聴いているが、断然ライブの方が良い。 と言うより、CD以上に良いのである。
彼のベースは、時折、彼の歌に合わせたギターのようになったり、 ある時は、ウェザーリポートのような展開になったりと、 その色彩が鮮やかで、曲ごとに新鮮な感じがする音である。 何より、歌が巧みなのには驚いた。 彼は、まるで鳥が囀るように、自由自在に歌う。 しかもそれは、都会の街なかで歌う鳥ではなくて、 森林や、広野で自由に飛びまわって歌う、極彩色の鳥なのである。
その横で、スティーブ・ソーントンのパーカッションも、 大地の音を感じさせるプレイで、開放感があっていい。 その音は、果てしなく広がるサバンナを黒豹が疾走するような躍動感であったり、 象の群れが走り去る地響きであったり、 たまに、熱帯雨林の木々から落ちる雨の滴の音であったりする。
そんな、大地の音や地響き、突然降り出したスコールや、極彩色の鳥が歌う中で、 渡辺貞夫はいつも通りに、澄み渡った音で無心に吹き続けるのである。
こんなに寒い冷え込んだ札幌で、暖かい大地の音や様々な極彩色の幻影を一瞬垣間見た。
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