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2006年09月24日(日) 輪廻転生、欧米人には無理?〜映画「記憶の棘」

ニコール・キッドマン主演の映画「記憶の棘」を観て来た。
観る前は、結構期待していたのだが。。

観た後で「他の人達は面白かったのかしら?それともつまんない映画?」と思った映画は久し振りだった(笑)ので、スタッフロールをぼんやりと見つめながら、いろいろと思い巡らせてはみたが、さてどうだろう。
どこが良かったのか悪かったのかさえも、さっぱりわからない。

ストーリーはと言うと、夫を亡くして10年経ったアナ(ニコール)の目の前に、ある日突然「僕は君の前夫だ。再婚しないで。」と言う10才の男の子が現われる。
新しい恋人と婚約したばかりのアナの気持ちは揺れる。
周囲は輪廻なんか全く信じない。
だがアナと男の子の距離が接近するに連れて色々と波紋が。。
本当に彼は生まれ変わりなのか、それとも嘘?と言った展開。

最大の欲求不満はその重要な点がどうもはっきりしない事である。

日本や他のアジア諸国において輪廻転生は日常茶飯事である。
「あなたの前世は誰々です」なんてTV番組もあることだし、別にどうってことはない話である。
ただ、自分から「わたしは○○の生まれ変わりです」と言う人は確かに少ない。

最近読んでいた三島の「暁の寺」では、「春の雪」に出てくる将校がタイの王女に生まれ変わり、幼い王女は自ら「自分はある日本人の生まれ変わり」と公言する。
王室の人達は信じないが、日本から会いに行ったその将校の友人は、生まれ変わりと確信する話である。

「暁の寺」は、小説の語り手も読み手も同時に輪廻転生を受け入れて進む物語であって、この「記憶の棘」のようにそれが本当なんだか嘘なんだかずーっと宙ぶらりんだと、さっぱり物語が生きてこない。
なんのために作ったのか、何を言いたかったのかも、曖昧で見えてこない。

予告編は面白そうだったのになぁ。。がっくり。。




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izumi [HOMEPAGE]

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