踏みしだかれたくない場所。 けもの道かもわからないような道。 私だけが知っていた、落ち着ける場所。 それが急に草木を伐採せさしめ、見晴らしが良くなってしまった。
あなたに見つかってしまう。 2度と見つかって、見つけて、見つけられてほしくなかった、あなたに。
見つけられてしまった足跡1つ。
がっくりして、顔をあげても緩慢な動きはしてはならなくて。
時間は動いているから、何やら対処が出来るのだ。
もう草木はなくなってしまったけれども、 残っている細い木々、プラスチックの板、トタンを駆使して作るのだ。
あなたに見つからないように。
迷彩模様をほどこして、周りに溶け込もう。
入り口は私しか判らない。
ひみつの扉。
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