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畏れ多いお話。 - 2004年04月23日(金) 今日は久し振りに、敬愛する松尾スズキさん のお話。 誰かのエッセイや小説なんかを読んでいて、 たま〜に、 「あ、この人と考えてること似てる」 と、感じることってありませんか? 私は、松尾さんの文章を読むと、時として、 「そう!それ!」 みたいな感覚を通り越して、 「やられたー!」 って思うことがあるんです。 おこがましいですね。 でも、ほんとなんです。 つまり、私がこれまで感じてきたことが 松尾さんの文章にそのまま書いてあること があるんです。 この『思うところあって』のために なんかかんか書いて、「これでよし」と 全世界に向かって曝した後で、 松尾さんが数年前に書いたエッセイを 読んだら同じ言葉を既に使われていた なんてことも2,3度ありました。 たぶん誰も気付かないような細かいところ なのですが、 「違うねん、パクったんじゃないねん」 と一人で全世界に向かって釈明したい気持ち にもなったものでした。 もちろん、たまたま誰にでも共通するような ことだったのかもしれないですし、私には あれほどうまく伝える能力はありません。 だいいち、私の考え方なんて彼の人に比べたら、 あまあまのプープーなのでお話になっていない のですが、ほんとにシンクロした時には 涙が出てきます。 中でも、私が決定的に松尾さんの虜になって しまったのは、以前書かれた戯曲の題名を 見た時です。 『ファンキー! 〜宇宙は見えるところまでしかない〜』 「ああ、これだ。」って思いました。 私が誰かに言って欲しかった言葉。 多感だった中学生の頃、宇宙の果てはどうなって いるのか?という答えの出ない恐怖感と妄想に 毎日毎日悩まされていた時期があり、 それはいつも私の中で『死』のイメージと結び付き、 怖くて怖くて、お母さんに抱きついて心臓の音を 聞くまで震えが収まらないということがありました。 あれはなんだったのでしょう。 今は経験として、「考えるとマズイな」というのを 知っているので、考え出しそうになると、考えを 他に持っていくという技を身に付けたので平気です。 でも、やっぱりその 「考えないようにしなければならないこと」 というのは私に潜在的な恐怖を与えていたようなの ですが、このサブタイトルを見て救われました。 『宇宙は見えるところまでしかない』 そうなんです。 考えても仕方ないことなんです。 私が見えている宇宙がリアルな宇宙で、 その外側は想像のつかない、なんならもうすんごい ことになっているかもしれないけれど、 自分にとって『見えるところまでしかない』。 それは、もう、間違いない。 言い切ってしまっている松尾さんは、 私の恩人です。 全く違う意味で書かれたタイトルという可能性も めちゃくちゃ大きいですが、その場合は、 勝手に救われてすみません、てな話ですが・・・。 でも、今読んでいる『宗教が往く』っていう 小説で、確信に近いものを感じるんです。 『子供の頃、人間の全ての行動は神様に監視され プログラムの中に組み込まれたものであるという 妄想に取り憑かれて困ったことがあって、ややこ しいのは、その取り憑かれて困る、ということ までもがプログラムにあり、また、そう思うこと もプログラムに・・・といった際限のない妄想の 綴れ折り状態に陥っていたのだが・・・』 ああ、やられたー。 ...
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