私は母が大好きです。
それはこんな私たちをずっと育ててくれているからでもあるし、 とても優しいからでもあるし、 それと、同情もある。
ずっと思ってたの。 母は可哀想だって。
働いて、家事もして、でも見返りは私たちの登校拒否であったり祖父母の小言であったり。
なのに、母は文句も言わずにそんな毎日を続けている。
私は母が好き。 所謂「反抗期」は私には無かった。 可哀想な母に反抗するなんて酷い事だと思って、ある程度の我慢は当然だと思ってた。
だけど姉は違った。 姉は母に命令するの。 当然のように命令するの。
姉は酷いヤツだ。 だから、母は姉より私の方が好きなはずだ。
心の中でずっとそう思ってた。
姉と兄と私だったら、母はきっと私が一番好きなはず。
そう思ってた。
だから。 姉が心の病でおかしな行動をしておかしな言動をして精神科に入院して。 そんな姉の元へ母が毎日のように通う現状が堪らなく許せなかった。
あんな酷いヤツに構う必要なんてないのに!
そうして私は泣いて訴えた。 物を壊して訴えた。 その行動こそが母を困らせる以外の何物でもないと、全く気付かずに。
馬鹿だ。 私は、馬鹿だ。
|