暫く。暫くはそれでも平穏だった。姉がいない家。私はその状態が好き。ずっと帰って来なければいいのに。ずっとこの平穏が続けばいいのに。でも、続かない。私と姉は家族だから。この家は私の家でもあるし、姉の家でもある。姉が帰ってくるのはこの家。家族が一緒に住むこの家。……嫌。もう、嫌。あんな人もう嫌。この家に入れたくない。この家には絶対に入れないから。…感情は勝手にどんどんと膨れ上がっていった。一人歩きを始めると、もう、止まらなかった。