あたろーの日記
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2003年05月22日(木) 似たもの同士

 帰宅する電車の中で笑いをこらえるのに必死だった。
 っていうか、顔は完全に笑っていた。

 地下鉄の階段降りてすぐの、一番端の車両の一番階段よりのドアの横に立った。発車を知らせるベルが鳴って、「ドアが閉まりまーす」とアナウンス。
 そしたらたたたっと階段をものすごい勢いで駆け下りてきたおじさんがいる。あ、なんとかドア閉まる直前に乗り込めるかな、と思って見ていたら、ドアの手前1メートルほどの位置でおじさん何か落とした!かちゃーん。
 。。。諦めるだろう。
 と思っていたらさにあらず。
 おじさん、あたふたきょろきょろ床を見回して落としたものを半分手探りで探した。
 携帯電話!うわー壊れてないよね!?
 と赤の他人の私まで心配してしもうた。
 が。
 おじさん、携帯をばっと掴むと、完全に立ち上がっていたらとうてい間に合わないと悟ったらしく、腰をほぼ直角に曲げて半ばかがんだ姿勢のまま、電車に対して斜め45度の角度、肩から閉まりかけたドアに突進してきた!
 うわっうわっーーー!
 思わず後ずさりする私。
 周囲もみんな退いた。
 しかも、ドアの脇に立ってボー然と見ている私と目が合うと、おじさんは「やったるで、見ときな」ってな感じで私ににやりと笑いかけたんでアル。
 やらんでいいーーっ!
 ほぼ自分の体の幅くらいしか開いてないドアから、おじさんは車両の中に弾丸のように飛び込んで、一気に反対側のドアまですべるように進んでぶつかった。
 で、あっけにとられている私の横まで戻ってきて、再び目が合うと、照れくさそうに「な、成功したろ?」とでも言いたげにまたにやりと笑った(照れ隠しもかなりあったかと思ふ)。
 だ、だめだ。
 ふ、吹き出しそうだ。。。
 思わずおじさんに背を向けて声を立てずに必死に笑った。
 もう滅茶苦茶可笑しかった。。。

 でも、私も人のこと笑えないんである。
 だって、昨日の朝、それと似たことやったんだもん。
 朝、地下鉄の改札を通ろうとしたら下のホームから発車のベルが聞こえた。
 急いで階段を飛び飛び飛びで駆け下りる!
 改札通っている時にベルが鳴っても、1秒2秒で明暗は分かれるけれど、間に合う確率もないことはないので、一応必死に駆け下りる。
 最後の1段まで来た時に、今にも閉まりそうな一番手前の車両のドアの前で、駅員さんがもうこれ以上乗せないよーってな感じで腕をドアの前に伸ばして人をさえぎるポーズをしてた。
 ・・・・ばっばかやってんじゃねえええっ!!あぶないだろーーー!!
 って。
 私はその時ほんとに心の中でそう叫びました。
 だって、通常そこまで来れば閉まる直前のドアに十分間に合う位置だったんだもん。
 ・・・その後、私は韋駄天のごとく車両に駆け寄り、「すいませーんすいませーん」を連呼しながら、腕を伸ばして通せんぼしている駅員さんのその腕をばっと払いのけてしまったm(_ _;)m
 駅員さんとの一瞬の摩擦がアダになって、スピードが落ち、ドアが半分閉まりかけたけど、そこにだだだっと飛び込んでしまった。
 腰が挟まれて、なんとか電車の中に入り込んで、ドアがびっくりして一瞬開いたスキに車両の外に置き去りになっていた片足を引っ込めた。
 満員電車なのに、私の周囲の人達は退いていた。
 空間が出来ていた。
 その間ずっと「すいませんすいません」を連呼し、ドアが完全に閉まって電車がそろりそろり動き出しても、ホームでボー然とこちらを見ている駅員さんに何度も頭を下げて、その後振り返って周囲の人達に「すいませんすいません」と言ってくるくる回った。
 ・・・吹き出している人がいた。。。
 その後しばらくドア側を向いて私は石になりました。

 今日のおじさんに、私は昨日の自分を見たのでした。
 駅員さん、ほんとうにごめんなさい。
 もう、しませんm(_ _)m
 
 


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