あたろーの日記
DiaryINDEX|past|will
| 2006年01月18日(水) |
ポール・オースターと向田邦子。 |
旧暦12月19日。 ライブドア、いつかはこうなると思っていた。「人の心は金で動かせる」と言ってはばからない金の亡者が、テレビはじめとするあらゆるメディアや政治の舞台にまでに頻繁に登場し、著書(それも金儲けの本ばかり)が書店で平積みされたり。こういう人がもてはやされる今の日本って、かなり異常だと思う。ホリエモンを持ち上げて露出度を上げたマスコミ、政治家、経済人・・・みんな、株価操作の共犯者でしょう。今さら被害者面するなよ、それより自分の価値観を見直せよ、なあんて思っちゃうんですけど。言い過ぎですかね。。 お金も大切だとは思うけど、いつも「カネ、カネ」と言ってばかりの人からはつい逃げ出したくなるのであります。 『シティ・オヴ・グラス』(ポール・オースター/訳・山本楡美子・郷原宏/角川文庫)を読んだ。ポール・オースターの小説は初めて。都会に住む人間の孤独を、こういう形で描く作家なのだと、読み終えてしばらく考え込んでしまった。起伏のある物語ではない。ちょっとミステリーを期待していたのだけれど、結局違うところへ読み手は連れて行かれてしまう。そして後に残るのは哀しい空虚感。けれど、読み始めに持っていた期待は、そのまま持ち続けて損はない本だった。 読みかけだった『思い出トランプ』(向田邦子/新潮文庫)を読み終える。実家の母の本棚にこの人の本が何冊かあって、だから、私も実家でこの『思い出トランプ』の親本を読んだことがあるのだけれど、十数年ぶりに読み返すと、つくづく、向田邦子という作家の恐ろしさにぞくっとさせられる。短編集なのだけど、どの作品を読んでも、人間の、日常のふとした拍子に生まれる心理を、鋭くすくい上げてある。自分が大人になって、酸いも甘いもある程度知った年齢になったせいか、この作家の切り取る場面の的確さに、読んでいて打ちのめされてしまう。向田邦子が半世紀しか生きられなかったのは、多くの読者にとって不幸だ。
|