あたろーの日記
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 旧暦4月10日。 TOTOのライブに行ってきました。有楽町の東京国際フォーラム。17時開演。今、日記書く前に、前回のTOTOのライブはいつだったかなあと、自分の日記探してみたら、2002年12月17日でした。その日の日記、読んでてかあっと恥ずかしくなった(爆笑)私も私なりに若かったみたい(文章が浮いている!)。2002年の来日時同じ東京国際フォーラムホールAだった。その時は1階の17列めだったのですが、今回は44列め。うーむ、前回と比べてはいけない。ライブに行けるだけでも十分幸せなのだ。 お客さんの年齢層が高い・・・。東京に住むようになって初めてTOTOのライブ行くようになって年齢層高いのに驚いたけど、回を重ねるごとにバンドもお客さんも歳を取っていく。勿論私も。・・・しかし、会場に20代が・・・いない。いたとしても1割くらい?私の前の席は、50代と思われるカップル、おじさんは白髪だ。年季が入ったファンだ。 17:12開演。1曲目は最新アルバム『Falling In Between』からのタイトル曲。この曲好きだなー!!・・・と当然立ち上がって腕を振り上げる・・・、でしょ?
あ、あれ?
ノリが悪い。
なんだこれ?
うんと前の席の人達はみんな立ち上がってノリノリなのに、私の周囲の人達、ぱらぱらと立ち上がる人、のそのそと腰を上げる人・・・で、私の前の3〜4列くらい、10人ほどは、4曲目までずーっと座りっぱなし。って、いったい何!?何だこれはっ!!そ、それから、立ち上がっても直立不動の人が多いって、これはいったいどういうこと!?おいおいおい、やめてよぉ・・・。私の前の熟年カップルに至っては、アンコールまでずっと座りっぱなし。おじさんはそれでも音楽に乗ってリズムとってるけど、おばさんは座席にもたれたまま、首を斜めに・・・おい、寝てるんじゃないの!?ちょっとちょっと、それってあり?往年のTOTOファンの旦那さんに無理矢理連れてこられたってことですか?それとも体調悪いんですか? 4月に行ったBonJoviのライブの余韻がまだ十分残っていたので、その調子で行った私は、同じロックの聴衆とは思えないノリの悪いTOTOの聴衆に腰を抜かしてしまいました。つか、みんなそこまで歳取ったつうことですか!?そんなに早く疲れないでしょ!?それでもまあ、私の後方から雄叫びも聞こえてくるし、前方のお客さん達は盛り上がっているってことで、私ももうこうなったら意地だと、前の船漕いでる(らしい)おばさんの頭越しに思いっきり叫んだり手を振り上げたり叩いたり地団駄踏んだりしてほんとに思いっきり発散しました。クラシックなら静かに聴くのが当たり前だけど、ロックのライブはそれではいけない。ステージ上のアーティストにとって、聴衆がノリノリかどうかはとっても気になることなのだから。バラードの時は静かに座って聴くのがいいだろうけど、それ以外はこっちも何かしらリアクションしたい。アーティストと聴衆が一緒になって作り上げるのがライブなんだから。 とはいえ、さすがベテランバンド、ライブが進むにつれ、お馴染みの曲が出てくると、聴衆もやがてほぼ総立ち。ここで、招聘元のウドー音楽事務所のページからコピペした曲順を貼り付けます。ぺた。 1)Falling In Between *album『Falling In Between』('06) 2)King Of The World *album『Falling In Between』('06) 3)Pamela *album『Seventh One』('88) 4)Bottom Of Your Soul *album『Falling In Between』('06) 5)Caught In The Balance *album『Mindfields』('99) 6)Make Believe *album『TOTO IV〜聖なる剣/IV』('82) 7)Hold The Line *album『TOTO〜宇宙の騎士/TOTO』('78) 8)Stop Loving You (Acoustic) *album『Seventh One』('88) 9)I’ll Be Over You (Acoustic) *album『Fahrenheit』('86) 10)Cruel (Acoustic) *album『Mindfields』('99) 11)I Will Remember (Acoustic) *album『Tambu』('95) 12)Rosanna *album『TOTO IV〜聖なる剣/IV』('82) 13)Let It Go *album『Falling In Between』('06) 14)Endless *album『Isolation』('84) 15)Isolation *album『Isolation』('84) 16)Gift Of Faith *album『Tambu』('95) 17)Kingdom Of Desire *album『Kingdom Of Desire』('93) 18)Hydra *album『Hydra』('79) 19)Taint Your World *album『Falling In Between』('06) 20)I Won’t Hold You Back *album『TOTO IV〜聖なる剣/IV』('82) 21)Girl Goodbye *album『TOTO〜宇宙の騎士/TOTO』('78) - - - - - encore 1 - - - - - 22)Spiritual Man *album『Falling In Between』('06) 23)Home Of The Brave *album『Seventh One』('88) - - - - - encore 2 - - - - - 24)Africa *album『TOTO IV〜聖なる剣/IV』('82)
と、これは4月26日(水)石川厚生年金会館での曲目だそうですが、今夜もほぼこの通りだったと記憶してます。相変わらずルークのギターは超絶だし、マイク・ポーカロのベースも健在、サイモン・フィリップスはジェフ・ポーカロ亡き後のTOTOのリズムパートをジェフとはまた違った持ち味でしっかりアグレッシブにこなしているし、ボビー・キンボールは動きこそおじさんになったけど、張りのある高音で往年のヒット曲を歌い上げる。 残念ながら、デビッド・ペイチはライブには参加せず(今後も??らしい)、新しく正式メンバーになったもう1人のキーボード、グレッグ・フィリンゲインズがツアーに参加、ペイチのいないTOTOのライブなんて物足りないのでは?と思ったら、この人も凄い演奏をするのでした。びっくり。私鍵盤楽器ってよく分からないんだけど、非常にエモーショナルでスリリングなソロ。それから今回のツアーメンバーにもう1人ギタリストのトニー・スピナー。この人の歌声もまたよかった。じっくり歌い上げる感じ。ずっとステージの端っこに立って、しっかりバンドをサポートしていた。 ルーク(スティーブ・ルカサー)のギター、ずっと聴いていたいなあ。TOTOの四半世紀以上の長いキャリアの中で、スティーブ・ルカサーの色が濃い時期(特に前作や前前作とか)って、不評(特に長年のファンには)を買うことが多い(不満をよく耳にする)んだけど、ロックもハードロックもジャズも民族音楽っぽいのもレゲエもなんだって吸収して自分たちの音楽にしてしまうTOTOの多彩さは、デビッド・ペイチも当然ながら、スティーブ・ルカサーというフロントマンの才能に負うところ大きいと思う。勿論ルークだけじゃなくて、マイクもサイモンも、バンドのメンバー全ての演奏技術が突出しているのがこのバンドの特徴なのですが。TOTOの音楽が今後昔に回帰していくのか、それとも違った進化を遂げていくのか分からないけど、ずっとずっと聴き続けていたいです。 ・・・ステージでルークがブリトニー・スピアーズの真似をしたり冗談を言ったりしてみんなを笑わせていた。そういえば、昔、武道館だったかで、デビッド・ペイチがマドンナの真似をして同じようにみんなを笑わせていたっけなあ。そうか、今までこういうおどけた役はデビッドがやっていたんだっけ。。。そう思うと、デビッド・ペイチのいないステージって、やっぱ、ちょっと寂しいな(グレッグに不満があるわけじゃなくて)、と思いました。。。 ライブが終わったのが19:30。あー、疲れたけど、心地よい疲労感。
「演奏することには、なにか貴重なものがある、だってそれは消えていくものだから。それは生起し、そして終わる。あとは心にたたみ込んで、自分で持ち歩くだけだ」(エドワード・W・サイード) 「音は束の間のものだ。通りすぎていく。音にこれほどの表現力があるのは、呼び出しに応じて出てくるものではない(絵画のようにあらかじめそこにあるものではない)ということが理由の一つだ」(ダニエル・バレンボイム)()はあたろー追記。 『音楽と社会(Parallels and Paradoxes)』(バレンボイム/サイード、A.グゼミリアン編、中野真紀子訳/みすず書房)からの引用です。バレンボイムは有名なクラシックの指揮者でありピアニスト。2人はクラシック音楽について語っているのですが、ロックのライブにも十分当てはまると思う。 ロックとは、その場に瞬間瞬間生まれ、瞬間に消えていく音の連なり。掴もうとして掴めない音を追い求めていく興奮。『ドミノ』の監督が「ロック的なものを表現しようとした」とインタビューで述べていたけど、ロック的なものはロック的なものでしかない。映画が面白くなかったのは、その、ロック的なものが面白くなかったからだ。中途半端にしかならないからだ。ロックはロックでしか表現できない。瞬間瞬間の音を追い求めていく興奮は、音でしか表現のしようがない。そこのところを無視してただ単にロック的なものを映画で表現しようとしても、スタイルにしかならない。結果として、訳の分からない映画になってしまう。・・・って、私に理解力がないってことなのかも知れないんですけど。 さてさて。連休これで終わり。 明日から3日間は、たぶん、残業でっす。 気張っていくべ。
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