あたろーの日記
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2006年07月04日(火) 手信号やってますか?

 旧暦6月9日。
 眠いです。まだ23時なんですけど。
 この前ふと思ったんですけど、自転車に乗ってて手信号やってる人って、とんと見かけないなあ。私もやってないし(恥ずかしいもん)、他の人がやってるのもここ数年みたことない。ご存じとは思いますが、ほら、あの、曲がるときに腕をくっと曲がる方向に立てたり、止まるときに斜め後ろに腕を伸ばしたり。だいたいさあ、お巡りさんだってやってないもんね。
 もう20年以上前、私が小学5年のことなんですけど。ある日、学年の児童全員対象の、交通安全教室というのがあった。お弁当を持って、朝から市内の交通公園なるところへてくてく歩いて行き、まる1日、自転車の乗り方とか横断歩道に気をつけることとか、お巡りさんの指導をみっちり受けるという日だった。と言っても、お弁当持参で、普通の道路みたいなセットが広々と作られている交通公園で、ゴーカートにも乗れるという話だったし、たいていの児童は半分ピクニック気分だったはず。私もどちらかと言うとそんな楽しい気持ちだったのに、なんとなく、いやあな予感はしていた。
 まさかとは思っていたのだけど、体育座りして先生の話を聞き、その後紹介されて登場したお巡りさんというのは、ウチの父だった(もう退職してます)。がーん、と、私は消え入りたくなるほど恥ずかしかった。目の前でおやじがみんなに交通規則の説明を続けている間中、うつむいていた。姓がわりと珍しいので、友達はちらほらと気がついたようで、男子がつついてきて、「おめーのとーちゃんだろ!」とからかう。ひどいよ、朝ご飯の時は何も言ってなかったのに。
 レクチャーの後、実際自転車に乗って公園内の道路を走る。お巡りさんの前を次々と走り、手信号をやったり、一時停止の練習をやったり。おやじは、なんとも酷い、というのも、他の児童が目の前を通るときはいちいち褒めている癖に、私が通ると、「しっかりやれ!」「ばかもん」と、怒鳴るんである。もう、泣きたいぐらい恥ずかしかったです。 
 その日の夕ご飯時も、案の定、食べながら私の自転車の乗り方について、説教が始まった。とろとろするなとか、ぼけっとしてるんじゃないとか。しかし、であります、ウチはそんな風にちと厳しい家庭だったので、私は小学5年の誕生日まで、自転車を買ってもらえなかったのであります。幼稚園時代の三輪車はともかく、小学1〜4年生まで、友達の自転車を親に内緒で使わせてもらっていた。何度も買って欲しいとねだったのに、職業柄事故を沢山見ているためか、危ないからダメ、の一点張り。でも、その、交通安全教室以来、私は親に強硬に反論した。私の自転車の乗り方が下手なのは、そもそも自転車を持ってないからである、と。自転車を買ってくれない癖に、クラスメートの見ている前で、娘の自転車の乗り方を怒るとは本末転倒であると。これにはさすがに親も折れて、ようやく苦節ウン年、私は自転車を買ってもらえた。初めての自転車、今でも覚えています。ちょっと濃いピンクの。嬉しくて、しばらくは自転車の仕舞ってある物置で寝たいと思ったくらいでした。
 あれから二十数年、私は当時のクラスメート達の誰よりも、自転車に乗る距離が長い毎日を送っているよーな気がします。。。一応、交通規則も守って・・・ます。
 だけど、手信号はまったくやってません。つうか、オヤジにやらせて、「自分だってできないじゃないか!」って文句言ってみたいです。


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