浪漫のカケラもありゃしねえっ!
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2002年05月13日(月) オーストリアGP記者会見とバッシング/権威で武装する人

プレスカンファレンス全文を読んで、彼らの言葉に癒された気がします。言いたいことは彼らがすべて言ってくれた。彼らは、彼らのチームの哲学をふまえて、ただ懸命に戦っただけなのだ。ポリシーやフィロソフィは、何があろうと一貫してなければならない。現時点で他チームを圧倒して強いからとそれを崩せば、それはポリシーでもフィロソフィでもなくなってしまう。
同じことを言葉をかえてえぐり出そうとするプレス。勝利を盗んだの、フォーミュラワンは死んだの、あちこちの見出しを見れば片腹痛い。その同じ口が同じ筆が、フェラーリのタイトル獲得をほめそやし、ミハエルの最多勝や歴代最多獲得ポイントを祝ってきたのだ。今さら何を言いやがるか。ぷれすオオカミどもめ。
誰も言わないならオレが言う。誇らしく、天に向かって拳を上げて、胸一杯に叫ぶ。祝・フェラーリ1−2! 圧倒的な勝利だ。そこに文句は言わせねえぞっ!

ファン=パブロが、ニックと琢磨のクラッシュシーンのリプレイをサーキットビジョンで見ていたのって、セーフティカーが長く入ってた間のことなんだろうな。たぶん記者会見の頃には怪我の有無もわかっていたから軽口になったのだろうが。
CART時代にも多くの仲間が大怪我したり亡くなったのを経験してきたから、気になって見ていたのかもしれないと思う。
サーキットからヘリの飛ぶ光景は、いつ見てもいやなものだ。今回の琢磨の負傷が大きなものでなくてよかった。


夕飯をおごってくれると言うので、最近知り合ったおじちゃんにつきあって寿司屋に行った。
おじちゃんとの話題に出た本のいくつかを読んでいたことを珍しがられて気に入られたらしい。ちょいと偏った意見の持ち主なんだが、おごってくれると言うものはありがたくいただいてしまう貧乏性。
防諜・謀略関係の話からオカルトまで話題の広いところはいいんだけれど、おじちゃんなんとノンストップで2時間半話しっぱなし。ころころ話題が変わって、こちらが理解する暇もなくまくしたてる。それがいつも同じパターンなのだ。
「本を読む人は人口の○%、中でも学術書を読むような人間はその○%しかない」「月に3万〜5万も本を買う。たくさん本を読んでいくことで、時代を先取りできるようになった」「○○という言葉が○○という本に出てくる。僕は会社の人間にこれを読めと、何年も前に言っていた」「最近になって○○(政治家や学者の名)、彼は○○大学を出て〜〜という経歴の持ち主なんだが、この人がこの言葉を使っていた」「僕は学歴はないが、同じようなレベルの本を読んでいるということだ」「僕に聞けばどんな資料も揃えてみせる。それだけの知識がある」
こういうのがバリエーションをかえて2時間半続いてご覧なさい。こちらは「そうなの」「それは知らなかった」「その著者の名前だけは知ってるけど」などと相槌うつのが精一杯。たまらんで。
どうやら「変人」と思われてる自覚もあるようだし、ご家族は学者になったようなので学歴や経歴にコンプレックスが強いらしい。意見を言って周囲にバカにされるので権威を借りて相手をぎゃふんと言わせる、と自分でも言ってはった。ああ、そのための理論武装の鎧なのね、とエネルギッシュな読書量にだけは舌を巻きながらおじちゃんの観察。
もちろんお寿司はとっくに食べ終えて、お酒もたしなまないこちらはお茶を3杯も店員さんにかえてもらってちびちび飲みながら拝聴するハメとなった。睡眠不足でつらかったぞ。
書物の山と権威といわれる人の言葉で自らを鎧う人。それよりオレは、相手が居心地よく過ごせるかどうか気を配れる感覚を磨いてる人の方が世間が広くなると思うがなあ。
人の振り見て我が振り直そう、と感じた次第。


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