浪漫のカケラもありゃしねえっ!
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| 2002年07月06日(土) |
イギリスGP、波乱の予感/論理と愛と |
アロウズがコスワースにエンジン代金払えなくて、フリー走行を走ってないとか。ラウダ曰く「しばらく滞納してはって、470万USドル分ほど払ってもらってしませんのや。ウチもお金がいるとこやさかい、払っていただかんとエンジンは出せませんな」(ヘナチョコ関西弁訳)ということらしゅうおます。マジですかい?(汗)
サロは体調不良でフリー走行を1ラップしかやってへんとか。セットアップどころやないな、これは。 予選、22台そろうのかなあ? 天候も荒れ模様のようですが、それ以外の状況も急激に荒れ模様で、どうなるやら。
しかしまあ、コンパックからヒューレットパッカードのhpのロゴにかわっちゃったウィリアムズ。 ロゴがマラソンのゼッケンみたいですがな。うう、腹の横幅がいやに目立つぞっ。>モントーヤ(^^;) 前の方がシマって格好良かったんでわ?
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夜になってチェックすると、アロウズはなんとか土曜のフリー走行には間にあった模様。よかったなあ。心配したよ。(^^;)>ハインツ このGPでコスワースが通告したというのは、イギリスGPの持つメディアの注目度にもよるかもしれない。ここに各チームの新エンジンやシャシー投入されることが多いのも、母国メディアやスポンサーへのアピールだ。 フォード・コスワースというブランドの価値、ジャガーという英国のブランドの価値が、F1によってどういう宣伝効果を持つか、親会社フォードは注目している。ここで「ちゃんと採算とりますぜ」と示すことが、首脳陣へのアピールともいえよう。 ここしばらく、ジャガーは、アロンソ、ウェーバーといった、他チームのドライバーやテストドライバーをテストするという変則的な行動をとっている。こういう行動はよく新ドライバーを選ぶために行われるが、シーズン中に行われることは少ない。 この背景にある意図はなんだろう。考えつくままにあげてみよう。
まず考えられるのは、来季の新ドライバー探しのために彼らのポテンシャルを計っている可能性。そして、コスワースエンジンのポテンシャルを他チームにアピールすることだ。 ジャガーのテストドライバー達はまだ若く、F1経験がない。彼らがどれくらいのポテンシャルを持っているか、それは自チームのドライバー達と比較するしかない。 エディはフェラーリというトップチームのノウハウを経験し、ミハエルというメジャーに計られてきたが、それから3年のジャガー不振の時代を経て、彼のセッティング能力や年齢的な衰えに懸念を抱く関係者もいるだろう。そして、そのエディにリザルトで一歩引いた位置にいるデ・ラ・ロサ、彼もそんなに若くはない。 成長を望める若いドライバーか、経験による安定感か、チーム自体がまだ成長の糸口をつかめていないジャガーにとっては、難しい選択である。 ジャガーはルノーのテストドライバーであるアロンソをチェックすることで、同時にルノーのドライバー達、たとえば英国系チームがこぞってほしがっているといわれるジェンソン・バトンの価値もまた類推できる。(高値になるだろうジェンスをとったところでどれほどの差が生まれるか、フォード首脳陣に熟考させるためでもあろう) そして、ウェーバーを乗せることで、ミナルディに乗る彼のの能力を計ると同時に、ミナルディにコスワースエンジン供給の価値をアピールすることができる。 アロンソとウェーバーは、どちらもたしかフラビオ・ブリアトーレのマネージメント傘下にいるドライバーではなかっただろうか。フラビオは、ルノーチームのボスであると同時に、ドライバー達の契約を有利に動かそうというマネージャーだ。 アロンソは来季F1のシートを得るという契約を持っている。フラビオは、そのシートを探さなくてはいけない。 そして、まだ持ち込みスポンサーの資金で乗っているウェーバーを、高く売るためにアピールする機会を逃すマネージャーなどどこにいようか。 そして、2つの面を持ったボスがもうひとりいる。 ニキ・ラウダは、ジャガーのボスであると同時に、コスワースを統括する位置にもあるのだ。 フォード首脳がジャガーの低迷に頭を抱えるなら、せめてフォード本家の負担を軽減する方向で、コスワースとジャガーを独自に運営していかねばならない。でなければ、『撤退』という言葉が会議上に口にされる可能性は高まっていくに違いないのだ。 ここに、2人のボスの思惑が、チームをこえたレンタルテストというカタチで合致したのだろう。
ニュースの向こうに存在する思惑や事象の立体像を類推するのは、F1を見る上での楽しみだ。 けれど、論理の導く先を眺める喜びと、論理をこえた愛情の導く喜びは、しばしば相容れない。心をちりぢりに引き裂いていく。 愛しいドライバーの最後のレースが近づいているかもしれないと予感する痛みを、どうすればいいのだろう。 今感じる圧倒的な不利さ、その数々を誰かに否定してほしいのだ。 まだ、彼は熱く走れると。まだ、彼のキャリアは終わりを告げはしないと。 彼を愛している。彼がどんなリザルトを残そうと、彼が速かろうとそうでなかかろうと関係はない。かつても、今も、これからも。ただ、彼がイキイキと走り、その笑顔をかいま見せてくれるためならば。
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