浪漫のカケラもありゃしねえっ!
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2002年11月25日(月) 架空OP習作/魅了する力/フェラーリ商品

『We got it!』

少年の家は、裕福ではなかった。
資金がなく、レースをあきらめた時代さえ、あったという。
父親の働くカート場で、彼は友人達と働き、パーツを買うお金を貯めた。
お客のカートを少年が走らせ、不具合な部分を友人達と直す。
それが、彼が子供の頃からやっていた仕事だった。

何よりも好きなのは、走ること。
仲間達といっしょに働くことが、それに結びついていく。
その時間を、彼は覚えているだろう。

成長した彼は、自動車整備の資格を得るために働いた。
車のことをもっと知りたかったから、と。
彼の人生は、ごく普通の車好きの若者のたどるものだったかもかもしれない。
もし機会が訪れていなければ。
彼自身が、それに遮二無二しがみつかなかったならば。

やがて彼は、チャンスを得る。
彼の速さを目にして、資金を援助する人々が現れる。
上のカテゴリー参戦の機会を提供しようという者。
もっと速くなるために学ぶ機会を提供しようという者。
導く手を掴むためには、さらに速くならなければならなかった。
彼はその機会を、掴み取った。

彼は、知っている。
彼ひとりの力では、レースを続けられなかった。
周囲の人を動かさなければ、レーシングドライバーとしての人生は歩めない。
急いで速くならなければ、与えられたチャンスは終わってしまうのだ。
誰よりも勝つために貪欲になった。
どうすれば速くなれるのかと、求め続けた。
それが彼を、さらに速いドライバーに成長させる力となった。

彼は今、トップに立っている。
そうなった今でも、彼は、子供時代からの思いを抱いているかもしれない。
彼ひとりでは、レースを続けることができない。
誰よりも速くなければ、全てはそこで終わってしまう。
何より好きな仕事を続けることは、できなくなるのだ。

「僕たちは、もっと頑張らなければ」
彼の会見にくりかえし現れる言葉は、「We」。
「I」でなく「They」でなく、「We」を使う、彼の視点。
彼は、チームの失敗を自分と切り離さない。
そして、勝利を得たときは、チームを讃えることを忘れない。
彼に、戦う機会を与えた人々。
夜半まで働き、結果を得るためにつくした人々。
チームの背景を支える、この場にいない数百人の人々。

彼は、忘れない。
彼とともに働いてきた人々のことを。
仲間達とともに、なによりも好きな仕事を続けていけることを。
彼らとともに歩み、その手に勝利を掴み取った道のり。
ひとりでは、ここまで達することはできなかった。
支える彼らがいたからこそ、存分に走ることができたのだ。

長い歳月をかけ、何度も挫折し、苦闘の果てに得たタイトル。
鳴り響くホーン。はためく赤い旗。
満場の歓声の中で、彼は叫ぶ。
「We got it !」
僕たちは、やり遂げたんだ!

「We got it !」
彼の勝利は、仲間達とともにある。

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最近は、大リーグに移籍したり、海外のサッカーチームに移籍する日本人選手も増えてきました。
「英語はそんなに勉強しなくてもいい」と松井選手へのアドバイスで発言したのは新庄選手。野球やサッカーの場合は、最初は言葉の壁をあまり意識しないでもいいのかもしれない。競技に必要な全ては、彼らの肉体と運動能力の中にあるんだから。(戦略の要であるMFとしてチームと細かい話が必要なせいか、中田選手はいつの間にかイタリア語が流暢になってたけどね。)
モータースポーツの場合は、それがまったく違ってきちゃう。
ドライバー、シャシー、エンジン、タイヤ、それらのパッケージとしての優秀さが勝負を決める。ドライバーの腕がよくても、手足となって動いてくれるマシンに不具合があれば、どうしようもない。それを確実に伝え、開発やセットアップに結びつけるコミニュケーション能力がなければ、世界という舞台には通用しないんだ。

私のスタンスは、基本的にはヒコクミンですが。そんでも、勝ち上がってくる子がいればお手並み拝見と注目するし、同じ場所に立って戦うことで出てくるゾクゾクさせるようなエピソードがあれば、その時は惚れるんだろう。イチローの俊足やレーザービーム!な肩の強さに驚嘆するみたいにさ。
有無を言わせず惚れ込ませ、その活躍にときめかせてくれるような、そんな素晴らしい生き様を見せる男達におなりよ。
日本人選手/日系チームの海外進出については、そんな感じで見てるんです。

マカオGPに続いてコリアGPも、日本人ドライバー達が頑張ったようですね。しかし、彼らがどんな風にこれからの道を開いていくかが気になります。
他のドライバー達に劣らず速く走る腕は、証明した。もちろんここに来るには、セットアップや開発に必要なフィードバック能力が求められただろう。他国のF3に参戦してるドライバーならば、コミニュケーション能力もある程度はあるのだろう。
しかし、トップカテゴリーに上がるには、それだけでは足りないんだ。速く走る腕だけでは足りないんだ。
スポンサーを集め、有望なチームと契約交渉していくマネージメントの力がいる。そして、数少ない機会が訪れたとき、プレッシャーの中で正しい方向性を見定めるためのヒントを素早くつかむ力がいる。
それを手にするために、周囲の人を巻き込み動かさなければ。人を魅了し信頼させて「このドライバーならやれる!」と、運命共同体になる決心をさせなければ。よい結果をともに得るために、相手の全力を傾倒させ、必要なこと全てを考えつくさせ、実行させなければ。
契約を得て、チームの100%の力を引き出していくには、そんな力が最も必要な時が来る。そのプラスアルファの力を、彼らは手に入れることができるだろうか。

もちろん上に書いたようなことは、トップカテゴリーにいるドライバー達にも言えることですわな。
よい契約を得るために、いかにしてスポンサーやオーナー達を魅了するか。チームメイトと比べられるチーム内で、どのように自分の腕やフィードバック能力を信頼させるのか。
いかに周囲の人間を運命共同体にさせるか。ともに自分の未来を賭けるに足る相手と認識させるか。そのために自分自身にどんな資質が必要とされ、どんな言動が求められなければならないのか。
それを手に入れてしまうようなとんでもない人タラシが出てきちゃうから、F1は面白い。

というわけで、架空OPの習作を書いてみました。読んでいただければおわかりでしょうが、人を魅了するオヤジキラー、人タラシのお兄さんのお話でございますわさ。(^^;)
ひとこと感想をいただけると嬉しいです。

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ニュースチェック巡回してたら、こんなん見つけました。セブンドリーム・フェラーリショップのキャンペーン。キャンペーン対象商品を買うと、ミハエルサイン入りフェラーリチームピットシャツ(レプリカ)の抽選に自動的に応募されるそうな。シューミサングラス、ミニカー、マグカップなども対象商品になってました。
ここで売ってたフェラーリバービーちゃんは、深紅のゴージャスなドレス。どこがフェラーリやねん?と思ったら、さりげなく跳ね馬の髪飾りで装ってましたよ。(笑)


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