PARANOID DIARY 海野 | |||
痛快娯楽復讐劇。 / 2006年01月30日(月) |
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ガンソード全26話を見終わりました。後半17話以降はずっと溜めてたんですが、試験期間中に約2日で見終わるという…てへ☆ ガンソは当初、谷口作品だから見てただけで、正直これまでの谷口作品と比べるとさほど目新しいものはないし、佳作にはなるだろうけど良作ではないかなとも思ってたんです。 前半が結構スローペースで1話完結のオムニバス形式で話が進んでいくんですが、これが後半になるとそれぞれの話に割り振られた伏線が次々と回収されていて、同じ作品なのに2度美味しいということに。ただ、前半ののんびり展開で見限ってしまった人にとっては「変なキャラがいっぱいでるけどまぁ普通のアニメ」という評価で終わってしまうんじゃないかと思います。 谷口アニメはもともと話が面白くなるのが遅いと言われてるんですが(初回あたりの展開がちょっと地味なんですよね…これが改善されればもっといいと思うんですけど)、その中でもガンソードは特にエンジンがかかるのが遅かった作品だと思います。話がいっきに面白くなっていくのが11話〜13話あたりなので、これまで視聴を続けられる覚悟がないと辛いかも。ただ、上記の通り後半に入ると前半の話にも深みが加わり、再視聴することで新たな発見ができるので、前半の話がダメだとは思いません。前半の評価については全話視聴した人と、前半だけで見限ってしまった人の間でかなり差がでそう。 谷口監督は作品を作るときに、何か一つでも新しいものを取り入れようとなさっているとのことで、私は最初ガンソはスクライド寄りの話だと思ってたんです。全話見終わった今でも、これまでの作品の中ならスクライドに近い話だとは思いますが、けれど谷口監督がしたかったのはこういうことかなーと、ちょっとだけわかったような気がします。 谷口監督はアニメはアニメであって、崇拝されるようなものじゃない、また監督も全スタッフをまとめたり、その方向を示す人間であって、監督=作品ではないとの主張をされてきました。最近アニメでもゲームでもなんでも「テーマ性」が重要視される傾向にあります。ガンソはそんな状況と真逆にある作品で、「アニメはとにかく見て楽しければいい!」という基本に返ったような作品なんじゃないかと思いました。ガンソのキャッチフレーズは「痛快娯楽復讐劇」です。主人公のヴァンの目的はただひとつ、親愛なる人を殺した相手への復讐だけ。揺らぎません、何も。途中でいろんな人と出会い、いろんな経験をしますが、ヴァンの目的はただ復讐だけです。むしろ敵となる存在のほうが、テーマ性をはらんでたんじゃないかと思うほどです。 これは私が感じただけのことなので、谷口監督が意図してやったことじゃないかもしれません。だけど視聴者の私がそう受け止めたのだから、それも間違いではないんじゃないかなと思います。エンタテイメントだから何をやってもいいというわけではなく、はじけるところでははじけて(ヒゲやロバ)、押さえるところは押さえるという緩急のつけ方にシビれるあこがれるぅ! そんなわけで、とにかく見終わって気持ちの良い作品でした。そういえば谷口作品はリヴァイアス以外、最終回はスッキリ終わるのが多いなぁ。(リヴァイアスもバッドエンドではないと思いますが他の作品に比べると鬱要素が多すぎる) ヴァンも最初はよくわかんない人だと思ってたんですが、この童貞馬鹿が大好きです! アニメの続編は見たいような気もするけどヴァンの復讐も終わったわけだし、今後は他メディア(CDドラマとか小説とか)でちょこちょこ補足してくれたら満足ですね。あと、願わくば全国で放送してほしいです。この作品がたった1局と有線だけでの放送っていうのはもったいない。 |
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