元・白血病患者の日記
 

2003年07月05日(土) (部屋も人も)暗い実家にて

 嫁さんが台所でお湯を右手にかけて火傷する。水で応急処置をして、本人的には大丈夫だと思ったのかも知れないが、患部を見ると痛そうなので病院に行かせる。ふだん、予防予防で病院にこまめに通ってるくせに、かんじんな時に腰が重いのは何なのだろうか。
 水膨れにはなってないが、包帯でグルグル巻きになって戻ってきた。

 その間、実家に子供が保育園から調達した笹を届けに行く。しかし、こちらの思惑とは裏腹に、喜ばれるどころか文句を言われる。「なんで笹だけなんだい、七夕ってのは短冊がなきゃ意味がないんだよ」って、孫が来たんだから一緒に書こうとか考えないのかね。礼のひとつどころか、いきなり不機嫌そうなジイさんと、文句しか言わないバアさんの洗礼を受けて、子供は帰りたいモードになる。…気持ちはわかる。でもな、父ちゃんはこんな二人がいる環境で育ったんだぞ。

 リハビリ施設にいる間は、若く綺麗な看護婦さんがチヤホヤしてくれた。あれだけ待ち焦がれた東京に戻ってみれば、出歩くことも出来ず、薄暗い部屋で一日、背中を丸めて会話をしない妹と、見慣れた口うるさいバアさんといるだけ。自然、リハビリにも力が入らずに、体調は悪くなる。ジイさんにとって悪循環である。

 なんとか子供の気持ちを引きとめようと「…みかんがあるから持っていきなよ」というバアさんの言葉に、子供はいらないと一言。玄関先まで行き、靴を履いている。

 「あらあら、いらないのかい」と、バアさん早速キレる。食べ物で孫は喜ぶと思ったのだろう。自分の思った通りにならないと、瞬時にこれである。

 長居したくないから用事だけ済ませようと思っていくつか聞く。介護保険は、今のところ人の世話になるようなことはないからいらないというが、本音は手続きが面倒だからだろう(バカ!)。簡易保険は、はいはい、やっときますよということ…きっと置き去りになるだろう。その他、労務士まかせになっているが、その後、連絡はと聞けば「何もいってこないからいいんだろ」だと。自分達から動く気はないみたいである。なんでも人任せ。

 「あ、そうそう、これなんだけど」といって、前に届けた病院からの封筒を見せられる。月曜に行くことになっている病院の先生への紹介書が2通、見事に開封されていた。

 「これ、開けたらいけないんだよね」って、当たり前だろ。どうしたらいいかと言われても、素直に謝るしかないでしょ。何もしないくせに、余計なことはする。
そのことで別に文句はいってないのだが、バアさんの不機嫌は加速する。空気悪いので、退散することにした。ジイさんも無事に退院したのなら、もう実家に来る回数は減るだろう。

 今日のスイミングは進級試験なれど、子供はバタ足の途中でへばる。あと少しで岸に着くというのに投げ出す。まるで茶碗にご飯を一口だけ残す、いつもの食事のようだ。なんでこいつは、ほんの少しが出来ないのだろう? 根性ないなぁ(長男だからか?)。その他、潜りながら進むという得意なものも失敗。疲れているのは昨夜の夜更かしのせいだろう。そりゃ、あんな遅くまで起きてればね。

 と、いうような報告を嫁さんにしたらダメなんだが、褒めるところだけ探していた。自分のように否定することだけで育った人間には、眩い光景かもしれない。嫁さんもいっていたが、うちのバアさんは人を褒めたことがない。そういえば36年生きてきて、親に褒められたことなどない! 何か出来ても当たり前、他の子よりも悪い部分があったら、それを治すようにヒステリーになる。これでは子供は萎縮する、と他人事のように思ってしまうが、妹のグレっぷりと、自分のダメっぷりを見るといかに実家の子育てが適当であったかが伺える。反面教師にせねば。わが子をまともに育てるには、実家から遠ざけるか?


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