not ready

2003年03月22日(土) 君の前で

女性の目の前で泣くなんてしなかった。
いくら悲しい事実があろうと、クールを装い自分を崩すことを恐れた。
弱い自分なんてドコにもいないって決めつけて、いない『ふり』をしてた。
感情なんてドコにもなかった。
傷つかない方法を選ぶセコイ奴だった。
だったんだ。今までは。
優しくて、優しくて心の中に暖かいセーターを着ているような。
安心できる場所だ。安心できる言葉だった。安心して泣いた、君の前で。
溢れた。想いと同じように。素の自分がいた。
『どんなコトがあっても側にいるから』
優しくて暖かい言葉だった。
目の前にいる君は、困った顔などしないで、笑って僕をなぐさめた。
臆病な僕を。弱い僕を。君しか知らない僕を。
いくら流しても止まらなかった。
心が揺れていた。流した分が愛情へと変わることを祈った。
この想いや涙がいつまでも君の心の中に残ればイイと願った。
苦しかった、今まで。自分を偽り続けた過去。今まで愛した記憶すら意味の無いもので、傷付けあった傷跡さえも偽りのモノで。
過ぎ去った時を重ねて今、僕がココにいる。ありのままの自分が。
『どこで逢っても愛していたよ』今、君にこう言いたい。
そうしたら、次は君が泣く番だ。
この唇は涙拭くために。
この手は君の手を握るために。
この愛情は君の全てを包むため。
抱えきれない想いを君に乗せて。また君の前で涙してる。


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