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2003年04月23日(水) コロナ

コロナを飲みながら夕暮れを見ていた。
ちょっとしたバーの窓から見える夕日と影が上手く重なって綺麗なオレンジ色を空に映していた。胸のポケットから煙草を取り出した。

昔よく見ていた景色と似ていた。子供の頃、空を見るのが好きだった。どんな空にも表情があってずっと見ていても飽きなかった。日々変化していく空の表情を恨めしそうに眺めていた。届かない空に向かって手を伸ばして。

あの空をいつしか独り占めしたいとクリスマスの日にお願いしたことがあった。
その日は雪でどこからか、鈴の音が聞こえてきた気がした。手のひらに舞い降りた雪の冷たさを感じ、一瞬にして溶けてしまう手のひらの温かさを感じた。

―いつしか年を取ってしまった―
コロナのラベルを見ながらそんなことを一人思っていた。
んっ?今、雲の隙間にサンタクロースが見えたような・・・?


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