un capodoglio d'avorio
2002年09月08日(日) |
THE HIGH-LOWS "TOO LATE TO DIE" |
吉祥寺にお買い物に出かける。 出かけて、腰痛いなあと右太股付け根に違和感。 を、感じつつ、そうそうそ、とタワレコに向かって購入。 ハイロウズのニューシングル、久々だー、やったー。
1曲目「TOO LATE TO DIE」作詞作曲:甲本ヒロト
あーいつものヒロトだー。 平和な住人しか住ませないヒロト国の、アナーキズム宣言。 なんだかすぐにでも、ライブでこれを演ってる五人が想像つく。 最近、ブルーハーツ再評価の兆しが著しく、 トリビュートアルバムが発売になったりしてる。 でも、だからといって「今」のハイロウズへの注目が高まっているか。 といえば、そんなことわないわけで。 別冊宝島の「ブルーハーツと<日本のパンク>」という企画誌を読んだが、 ハイロウズへの言及はあまりに少なく、 既にそのヒロトやマーシーの才能の盛りは過ぎたのだと言わんばかり。 たぶんそういう浅薄な評論家は「TOO LATE TO DIE」の歌詞を見て、
ほーら、見なさい、 もうヒロトは意味のあるメッセージを持たないんだよ、ダメダメ・・・
などとのたまうに違いない、でもそれは間違ってる。
つまりこうだ。 ブルーハーツが「後押し牽引する」バンドだったとして、 ハイロウズは「疾走する」バンドなのだ。 ヒロトは「疾走する」ボーカリストであり、 マーシーは「疾走する」ギタリストなのだ。 その「疾走」の仕方といったら、 切れ味鋭いダッシュというイメージからはほど遠い、 小学生が缶蹴りで鬼に見つかって、 「わー!」と叫びながら不格好にころびまろびつ缶に殺到するあの格好。 それがハイロウズだ。
降りるはずの 駅はうしろ 泊まるべき 港をはなれてく Too Late To Die (THE HIGH-LOWS "TOO LATE TO DIE"より)
もう後戻りできない、他人なんてかまってられない。 前に走るしかない、後悔してる暇なんて無い。 この歌詞はちょっとトーンが落ちるとそのまま「後悔」の歌になりそう。 でもバンドの演奏とヒロトの声とがそこへは曲を落とさない。
みんな勝手なんだと思う。 自分の手を引っ張って連れてってくれなかったり、 疲れた自分の背中を後押ししてくれなかったりしたら逆ギレして、 もうハイロウズはダメだ、っておまえがダメだよ。 結局は自分なんだから、自分が走らなくちゃ何だから、 ヒロトはその疾走する姿を僕らに見せてくれるんだから、 それ以上に彼らに寄っかかって甘えるのは違うだろ! と言いたい、そんな重圧がブルーハーツを解散に追い込んだことに、 どうしてみんな気づかないんだろう?
2曲目「曇天」作詞作曲:真島昌利
はっきり言って、A面よりこっちのが傑作、 というかこれは歴代マーシー作品のなかでもかなり屈指の傑作だ。 歌詞は相変わらずのナンセンス、 ナンセンスなんだけど、一流の哀感がほのかに香り、 けれどもそこに立ち止まることを拒否するかのごとく疾走する。 マーシーっぽいガレージロックだけど、 サビに入ったときのシフトチェンジはカタルシスを感じさせる。
ヒロト、ガンバレ。 マーシー、凄いぞ。 ライブ、絶対行くぜっ。
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