HERE, NOT SOMEWHERE...Hiroyuki Morikawa

 

 

ぴあの - 2002年10月08日(火)

僕は3ヶ月位前からピアノを弾き始めています。
小さい頃にピアノを習っていなかったので、
ピアノなんてぜんぜん弾けません。

僕が今まで曲を書いている時には、
鍵盤でメロディーを考えることもよくありました。
その時は人さし指一本弾きで(笑)。
僕の曲に「child`s view」という曲がありますが、
あの曲のメインの旋律のピアノを、
必死になって指一本で弾いている姿を想像していただくとなんだか笑えるでしょ?

それで初めて弾けるようになった曲(なんとなくだけど)が、
バッハのインベンションの二声です。
この曲は二声なので同時に鳴らす音はふたつだけ。
それなのにこの曲には、奥行きがあり、美しく、迫力がある。
それは、曲を書く時にとてつもない工夫をこらし(例えば対位法など)、
それにより高級な響きが得られているのだと思う。

バッハに限らず昔の偉大な作曲家たちは、
当時はPA技術なんて全くなかったので、
いかに限られた生の音だけでどれだけ立派な音を奏でて、
人に感動を与えるかということを考えていたのだと思う。
ベートーベン(たしか?)はオーケストラでものすごい大きな音の打楽器が必要で、
なんと大砲を撃って、その音に変えたなんて話も聞いたことがある。

それと比べて今の時代はPA機器の発達により、
なんの苦労もなく大きな音で演奏できて、人を魅了することができる。
大きな音で演奏できることが当たり前になっている。

だけどこういう時代に、昔の作曲家たちがしていたように様々な工夫をしていかに人に感動を与えるかということを考えて演奏したら、
どんなに素晴らしい芸術作品が生まれることになるのでしょう。

そんなことを考えました。



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