HERE, NOT SOMEWHERE...Hiroyuki Morikawa

 

 

風立ちぬ、いざ生きやめも。 - 2005年12月16日(金)

公園のベンチで、あたたかいカフェラテを飲みながら、本を読む。
どんなにこころの中が慌ただしい時にも、
ちょっと無理をしてでも、そういった時間空間を作れると、
いつも必ず、穏やかな気持ちになれるのです。


堀 辰雄の「風立ちぬ」を読む。その中で、

「…あなたはいつか自然なんぞが本当に美しいと思えるのは
 死んでいこうとする者の目にだけだと仰ったことがあるでしょう…」

という印象的な言葉に出会う。
公園のベンチから、ふと、回りの景色を眺めてみる。
数えられるくらいに、もう残りわずかになった木の葉が一枚、
ゆっくりと、そして静かに、舞落ちる。
言葉と景色が交錯して、様々な心象が浮かび上がる。

本を読んでいるはずなのに、
その時、僕は、映画のワンシーンを観ているような、
そんな不思議な感覚になりました。






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