ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




世界の終わり
2001年11月03日(土)
雨音を聞きながら、ふと槙原敬之の「THE END OF THE WORLD」が聞きたくなった。
世間には許されない恋人どうしの切ない歌で、彼等が待ち合わせる時はいつも雨。傘の中にふたり隠れるように入っていると、普通の恋人みたいに見えるのに・・・という下りがある。
世間に許されない恋とは、道ならぬ恋。
例えば、不倫や、同性どうしの恋、というのもアリだろう。
そんなつらくて苦しい恋をわざわざ選んでしまったふたりは、常に「世界の終わり」という最果てにいるが如くだ。
でも、本当にその恋の最中に世界が終わってくれたら、どんなにいいかと願ってしまう。そのアンビバレントな響きが「世界の終わり」という言葉にはある。
そんな「世界の終わり」。
思い出したのだが、村上春樹氏の「世界の終わりとワンダーランド」という物語にも、「世界の終わり」という「街」が出て来る。その街は主人公の「僕」の無意識の世界が創りあげた世界であった。そこには、あらゆるものがあり、あらゆるものが失われている。その点で、やはりアンビバレントだ。
世界の終わり、とは何か脅威的な武器か何かに・・・そう、ノストラダムスの「恐怖の大王」のように、突然降って来て、はい終わり、というものではない気がする。例え全人類が滅んだとしても、そこからは、また何か新しい世界が生まれるからだ。
もっと、私たちのすぐ近くに潜んでいて、得体の知れないもの。そこをつい覗き込んでしまったら最後、戻れなくなってしまう場所、それが世界の終わりなのではないか、と私は想像している。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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