ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




ほんの少しの死
2001年11月04日(日)
私を含め、私の周りにいる人たちの感覚として「ほんの少し死んでいる」というのがある。
この「ほんの少しの死」は絶対的な死とは対極にあるものであり、生きながら死ぬ事により、人生が持続するような「死」を指している。(「死ぬ」という言葉を多用してはならない、と宗教的理由で受け付けないなら、「失う」と言ってもいい。)
ある人は、その感覚を諦観と呼び、またある人はそれを傲慢と呼ぶ。だが、呼び方は何だって構わない。
その「死」を体験する度に、悲しいかな、人は何か大切なものを少しずつ諦め、少しずつ傲慢になるものだ。
勿論、ふだんの私はそんな「死」の感覚を押し殺して生きている。そうやってバランスを取る事で、自分を生きやすくする術は割と最近身につけた。たまに、そのバランスを取れず生きにくそうにして低空飛行している人がいるが、そのバランスは自分と他者との介在の微妙な匙加減を、自ら築き上げていかなければならない。つらい作業だが、誰にもそれを救う事はできないのだ。
その「ほんの少しの死」をそっと自分の中にしまって、時にそれを慈しみつつ穏やかに生きていきたい。そう思う、今日この頃の私であった。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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