ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




憂鬱な幼稚園児
2002年01月17日(木)
22、3年前、私も幼稚園児だった。幼稚園の記憶はほとんどない。お昼寝の時間があった事と、自分の「組名」が気に入らなかった事くらい。だって、もみじ組とかえで組って、地味過ぎてあんまりじゃない??もっとばら組とかチューリップ組とか華やかな方が良かったのに。名札も茶色だったし・・・。
それはともかく、家での記憶とか独りで考えていた事については本当によく覚えている。空の向こうに宇宙がある事を知り、地球は自転している事を知り、今見えている星の光は何万年も昔のものだと理解した。そうすると、自分のこの今見ている風景や人達は、一体なんなのか、と本当に考えていた。そして、自分が色々ととりとめなく想像しては消えてゆく、この「思念」はどこで発生するのか、そんな事を日々思って生きていた。自己存在への疑念を持っていた幼稚園児だったので、(哲学専攻の芽生えはここにあったのか・・・)友達とかと遊ぶのはあまり好きじゃなかった。そんな憂鬱なコドモにも衝撃的な事が起こった。
それは「弟」の誕生だ。
パパが長男だったので、跡取りとして「男子」の出産が一族みんな望んでいた事だった。祖母に言われる通り、遠くの川までママと歩いていって、なにかまじないのような事をした事もよくよく覚えている。
うっすらとママがこんな事をしなければならないのは、自分が男に生まれて来なかったせいと、思っていた。
生まれて来た子が本当に「男」だったので、あの、川で行った神秘的なまじないのせいだと信じ込んでしまい、肝が冷える思いだった。5歳の憂鬱はまだまだ続く・・・。
ちなみに小学校にあがってから、初めて読んだ本は「罪と罰」だった。これだ、と同じ人間を見い出したヨロコビでいっぱいになって夢中で読んだ。どんなに憂鬱なコドモだったかは、御想像の通りである。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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