度々旅
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連休が明けたら、雨だった。連休中のざわめきを流すような雨。なんだか、ほっとした。
今日は学校がなかったので、雨音を聞きつつ、いつもどおり睡眠を貪る。あさっての発表のために準備をしなければと、夕方近くごそごそ起き出しレジュメをつくる。 パソコンの画面上に文字を書き、それを見直す作業に今だ慣れない私の文章は、脱字だらけで嫌になる。
そいえば、手書きで長い文章を書くことが少なくなった。鉛筆を長い時間持つということが、だんだん苦痛になってきた。そもそも、中学くらいから、ノートをとる時もペンを使っていたので、長い間鉛筆を握るというのは、数学の問題を解いたり、テストの時だけだった気がする。
大学に入り、シャープペンシルの芯を一本使うのに、半年くらいかかったのには、ちょっと笑ってしまった。ただでさえ、シャープペンシルや鉛筆を使うことが少ない私がますます勉強をしなくなったのだから当然のことといえば当然だけれど。
今の私のシャープペンシルは10年くらい使っている。これだけ長い間ちょびちょび使い続けて、いったいどれくらいの芯を消費したのだろう。何度も壊れては、分解して直した。もともとあった柄は、もう消えてしまっている。この子は、私の受験や、テストにいつもついてきてくれた。あまり使わなくなっても、ひっそりと筆箱の中にいてくれる。400円くらいだったけれど、こんなに長く一緒にいてくれるとは、かわいい子。
パソコンも、長い間使っていたら、キーボードがかわいく思えてくるのかしら。やはり、手書きとは、違う気がする。手書きで書く文章は、間や文字の大きさで、その時の心の状態を示している。特に、手紙などは手書きの方が相手の様子が伝わってくる。このシャープペンシルは、私の10年分を知り尽くし、汗を吸い、生きている。なんだか、素敵。この子を、これからも使っていきたいな。
夕飯は、友人の実家から送られてきた大量の野菜をおすそわけしてもらったので、それを調理し、ともに食べる。なんだか、雨音の中、静かで淡々とした一日を過ごせた。
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