度々旅
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台風がやってきている。なんだか、わくわくしてしまう。テレビ画面の向こうで、非難している人達を見ても、実際自分も危険にさらされているという実感がない。ただ、閉じ込められているみたいな感覚を楽しんでしまう。
幼い頃に一度台風のために、家から歩いて3分程の所にある川の水位が非常に上がったのを覚えている。川原は、川の水によって埋まり、土手の高さの途中まで水位が上がった。雨があがった後、土手に行って、いつもとは違う風景に驚いたものだ。川原にある小屋や車は、屋根だけかすかに見えていた。あれだけ水位が増しても、その水をせき止めている土手はすごいなと思った。土手が決壊したら、恐ろしいという感覚はなく、ただただ土手って素晴らしい!と思ったのだ。
なんとなく、台風が来ると、家の窓に木をばってんに打ち付けて、台風への準備という図が思い浮かぶ。しかし、そのようなものを見たことはない。サザエさんで見たのかな。
しかし、東京で洪水になったならば、どうなってしまうのだろう。雪が少し降っただけで大騒ぎ。日本は、台風があって地震があって噴火があってと災害はたくさんあるのに、今一それらと上手く付き合えていない。太ももまで水かさが増す場所なんて、世界中にはたくさんある。そして、そういう国はそれらと上手く付き合う術を心得ている。決して、自然災害を憎んでいるばかりではない。もっと、自国の自然と上手く付き合う国づくりを考えてほしいものだなと思う。でも、これだけ狭い島にたくさんの人が住んでいるという時点で、かなりそれは難しいのだろうか。
自然災害のある国。それは、自然の声を感じられる国ということだ。それは、素晴らしいことだ。そんな自然の声に逆らって、人の生活を築くのは無理なことだと思う。
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