度々旅
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先日結婚式の案内状をくれた高校の時の友人を囲む会。彼女は、5年付き合った彼との結婚ということで、非常におめでたい。今まで周囲の結婚は、子供が出来てしまったという理由ばかりだった中、彼女は違うということで、なんだか嬉しくなってしまった。別にできちゃった結婚がどうのということではなく、二人で一緒にいたいという気持ちから、直接結婚へ移行したというのが、喜ばしいなと思ったのだ。
ちなみに、私は高校の中では行方不明者だ。一部とは連絡をとっているものの、同窓会には顔を出していないし、大学が同じ人もいなかったし、非常に仲が良かった友人とも、年賀状を時々やりとりする程度で、そこには私が何に属しているかより、私が何を感じているかが重要だと思っていたため、思うところを適当に年賀状には書くのみで、現状を書いていなかったからだ。どちらかというと、有名な高校であるために、その所属であったことを言うと、先入観がもたれてしまうことが多く、できるだけその呪縛から私は逃れたかった。プラス、卒業生がいつまでもその高校名で自分を語る姿に、嫌気がさしていたこともある。 そんな私が今日登場したわけで、「今何やっているの?」「生きているか、噂になっているよ」という声が掛けられる。これだけ音沙汰なしなのに、結婚の案内をもらえたことを感謝したり、私を気に掛けていてくれる友人に感謝したりだ。
今日集まった中に、非常に大切な友人がいた。もちろん彼女とも、大学へ入ってから会っておらず、連絡もとっていない。互いに薄情といえば薄情だけれど、だからといって、彼女との関係がくずれているとは私は思っていなかったし、今日会ってその思いは確かであったこともわかった。 私は浪人し、一年遅れて彼女と同じ大学に受かったが、いかなかった。それを、冗談まじりで責められながら、なんで理系だった私が今の選択をしているのか問われる。「直感かなぁ」とのらりくらりと答える私。そういう時に、本当のことが言えない私を彼女は知っている。だから、それ以上の追求はしないでくれる。そんな彼女は、一度社会に出てバリバリ働いていたが、体を壊し会社を辞め、今度も就職するつもりはないとのこと。みんないろいろあるのねー。 会も終わりになる頃、みんなで連絡先の交換をし出す。その様子を眺めている私に、その彼女が、言ってくれた一言。「一番大切な人のを聞かなくては。話したいこと、沢山あったんだよ。」表面には出さなかったものの、私がその言葉にどれ程喜んだことか。そして、その彼女は私のことをよく理解しているので、「聞いたからって、住所とかアドレスすぐ変えないでよ。」と。そして、私が彼女の連絡先を聞き返しをしないと、「わかっているよ。あたしが、メールしろってことでしょ。」と。
素晴らしい!これだけ連絡をとっていなかったにも関わらず、これほどまでに私の心を察してくれているとは。別に、私はみんなと連絡をとりたくないわけでも、みんなが嫌いなわけでもない。しかし、私が私として保つためには、どうしても日常を共にしたくないのだ。もしかしたら、それは過去の輪の中から得た思いからかもしれない。うまく表現できないこれらの気持ちや、私の変な頑固さを言葉なしに受け取ってくれる彼女。ありがとうと思った。
帰ろうとイスから立ち上がる時、私の足元に数枚の紙が・・・。途中で、働いているものは名刺を配っていた。別に理由があっての行動ではないと思うけれど、内心私はなんで友人同士で、名刺を配らなければいけないんだと、不快である。しかし、もらってしまったわけで、適当に膝の上においていた。その名刺・・・。私はすっかり忘れ、足元に落とし、あげくの果てに踏んでいた。それを見て、友人達は大笑い。「あんただから許す!」はぁ〜。相変わらず、社会への道は遠いことを実感。。。しかし、私のそういう部分を、そのまま引き受けてくれている友人に大感謝。ごめんよ、みんな。偏屈な私で。
それにしても、本日の主人公であった彼女。幸せになってくださいなぁ。と強く願っております。
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