Yが泣いて帰ってきた。 Tセンパイと話したらしい。
誰かのために泣く姿はきれいで、 少しねたましく思った。
泣いたまま彼女は隣の部屋にいった。
きっと伝わるんだとおもう。
彼女が恋愛に関する愚痴をいうたびに あたしがうざがってると思ってるんだろう。
うざいとかじゃない。
苦しいんだ。
あたしにないものをもってる。 運が、よくも悪くもある子。
あたしの人生には何もないと思い知らされる。
あたしには何もないと。
だけど友人として申し訳なく思う。 痛みを、悲しみを、喜びを。 うけとめてあげられなくてごめんね。
あたしには
そんな風に泣くための状況がない。
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