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ぼくのあしもとが やけにしろっぽいんだ どうしたことだろう かげがなかったんだ ぼくはかいほうされたんだ いつもいつも ぼくにつきまとってくるあいつ ひかげにはいると すがたをかくして ひがないちにち ぼくにまとわりつく あいつを。
ぼくははくしゅをしたんだ このよろこびをつたえるために でも ぼくのてもとが やけにしずかなんだ どうしたことだろう おとがなかったんだ ぼくにはおともなくなったんだ おとがしなければ だれのこえもきこえないじゃないか もちろん ぼくのこえも… ぼくはこえをだそうとした でも ぼくはいつのまにか こえのだしかたをわすれてしまったんだ ぼくは いまになって かげをおもいだした
あいつだけは わかってくれた ぼくがこえなんかださなくても だまってうごくだけで ときに なぐさめてくれたあいつ おとなんかなくても つたわっていたのに かげがいなくなって おともなくなって ぼくはだれに かなしみを つたえたらいいの ぼくはだれに どうやって つたえたらいいの
かげのないせかいで おとのないせかいで
ぼくはなきかたも わすれてしまったんだ
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