2002年12月14日(土) |
ポーランドのバザール(市場) |
ポーランドに赴任して、もうすぐ二年近くになる。言葉はまだ苦労しているけど、何とか元気に暮らしている。 私は、ワルシャワの街が住みやすく、便利になってから赴任した世代だと、在住暦の長い方々からいわれる。 ここ3〜4年のうち、カル・フールやジェアンほか西側資本のハイパーマーケットや、IKEAやOBIなどの大型チェーン店がワルシャワ郊外に次々オープンし、確かに便利で、ドイツにいたころと生活レベルは変わらない。
しかし、たとえハイパーマーケットがあちこちに乱立していても、実際に一般市民の生活の拠点となるのは、やはり近所のバザール(市場)のようだ。 居住区画には必ず大なり小なりのバザールがある。野菜、肉、パン、くつ、衣類、家電、その他諸々なんでもある。一年中、終日ものすごく混んでいる。 赴任当時はあのごみごみとして薄暗く汚ない雰囲気に馴染めず、怖いものなしのこんな私ですら気後れがして、バザールに買い物に行くのに二の足を踏んでしまうことがあった。
先週のこと。クリスマスも近づいてきたことだし、ドイツの代表的なクリスマスのお菓子、シュトーレンを作ろうと思い立った。ところが材料のドライフルーツの砂糖漬けが、どこのハイパーマーケットを探しまわっても無いのだ。ドイツ時代は、市販のものを利用していたし、ポーランドでもドライフルーツ入りのお菓子はポピュラーなはずだから、無いわけは無いんだけど、おかしいなーと思いながら、途方にくれるしかなかった。 友達同士の集まりにあわせて作ろうと思っていたのに、材料が集まらないから仕方が無いや・・・と完全にあきらめていたところ、思いがけないところで見つかった。 ・・・バザールで。あ、こーんなところにあったんだぁ〜なーんて。もう、笑っちゃうくらいおかしかった。あそこにいけば、ハイパーマーケットに売っていないものでも何でも売っているのだ。頻繁に足を運んで、何がどこに売っているかを把握しておけばよかった。
快適で便利だから、ハイパーマーケットのほうをついつい利用するけど、結局は野菜にしろ、生活必需品にしろバザールにしか売っていないものがある。ちょっとしたものでもバザールのほうが品揃えがよかったりする。屋根が無かったり、ほったて小屋風の店構えに出入りするのに躊躇してしまうけど、扱っているものは、専門店と変わらない。
赴任したてのころは、バザールの雰囲気が受け付けなかったけど、今では私も、こちらの生活にすっかり順応して生活を送っているせいか、必要に応じて、どこの地区のバザールへでも車で乗り付ける。 バザールに堂々と出入りできるようになったということは、私も現地に同化するための垣根をひとつ乗り越えた、ということなのかもしれないな。
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