執筆人 越野 宏明
寝坊していつもの電車に乗れなかったせいで、超満員電車だった(東京の山の手とかに比べたらマシなんだろうけどさ)。 しかも、男の俺が痴漢にあった。 はじめは痴女って奴なのかと思ったんだけど、女にしてはやたらと手がデカイいんだよ。やたらと節くれだっててごつごつした感じがケツに当たるんだよ。 これが噂に聞く、男に痴漢するホモの痴漢だって気づいたらなんかキモくてさ、鞄でガードとかしてんだけど、そいつ諦めがわるくて。こっちの攻撃もお構いなし。男の俺が『痴漢です!!』なんて叫べないしさ。 痴漢は俺よりも遙かに身長もでかくて、快速のしかも俺が降りる駅まで開かない側のドアの角においやられてさ…だんだん行為がエスカレートしていくし…。 さすがに手が前に回ってきたのには驚いて反射的に拳が飛んでた。痴漢の顎にもろヒットしたと思ったら聞き覚えのある声で 『ぐぇっ』ってひきがえるがつぶれたうめきが聞こえた。 俺は自分の耳と目をそのときは疑った。 悲鳴を上げた人物を俺はよく知っていたから…。 『仙道、てめぇ〜…』 『おはようvv越野vv朝からご挨拶だな〜右アッパーなんて…愛する俺に対して非道いんじゃない?』 『てめ〜か朝っぱらから人のケツなでまくった変態は?』 『変態は非道いんじゃない?可愛いお尻で誘ったのは越野じゃない』 『問答無用!』 さらに俺の左アッパーが炸裂。駅に到着した時点で跳び蹴りと回し蹴りを一発ずつ入れてやって駅のホームに沈めてやった。 たくっ!なにかんがえてやがる。陵南バスケ部のエースのくせして!! それでもこいつがいなくちゃうちのバスケ部は成り立たないのが情けないぜ!!
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