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2002年03月04日(月) 第6章 地域分析及び個別分析
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第6章 地域分析及び個別分析
対象不動産の地域分析及び個別分析を行うに当たっては、まず、それらの基礎となる一般的要因がどのような具体的な影響力を持っているかを的確に把握しておくことが必要である。
第1節 地域分析
�機|楼菠�析の意義
地域分析とは、その対象不動産がどのような地域に存するか、その地域はどのような特性を有するか、また、対象不動産に係る市場はどのような特性を有するか、及びそれらの特性はその地域内の不動産の利用形態と価格形成について全般的にどのような影響力を持っているかを分析し、判定することをいう。
�供|楼菠�析の適用
1.地域及びその特性
地域分析に当たって特に重要な地域は、用途的観点から区分される地域(以下「用途的地域」という。)、すなわち近隣地域及びその類似地域と、近隣地域及びこれと相関関係にある類似地域を含むより広域的な地域、すなわち同一需給圏である。
また、近隣地域の特性は、通常、その地域に属する不動産の一般的な標準的使用に具体的に現れるが、この標準的使用は、利用形態からみた地域相互間の相対的位置関係及び価格形成を明らかにする手掛りとなるとともに、その地域に属する不動産のそれぞれについての最有効使用を判定する有力な標準となるものである。
なお、不動産の属する地域は固定的なものではなく、地域の特性を形成する地域要因も常に変動するものであることから、地域分析に当たっては、対象不動産に係る市場の特性の把握の結果を踏まえて地域要因及び標準的使用の現状と将来の動向とをあわせて分析し、標準的使用を判定しなければならない。
(1)用途的地域
� ゞ疥拊楼�
近隣地域とは、対象不動産の属する用途的地域であって、より大きな規模と内容とを持つ地域である都市あるいは農村等の内部にあって、居住、商業活動、工業生産活動等人の生活と活動とに関して、ある特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを示している地域をいい、対象不動産の価格の形成に関して直接に影響を与えるような特性を持つものである。
近隣地域は、その地域の特性を形成する地域要因の推移、動向の如何によって、変化していくものである。
�◆[犹�地域
類似地域とは、近隣地域の地域の特性と類似する特性を有する地域であり、その地域に属する不動産は、特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを持つものである。この地域のまとまりは、近隣地域の特性との類似性を前提として判定されるものである。
(2)同一需給圏
同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいう。それは、近隣地域を含んでより広域的であり、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲を規定するものである。
一般に、近隣地域と同一需給圏内に存する類似地域とは、隣接すると否とにかかわらず、その地域要因の類似性に基づいて、それぞれの地域の構成分子である不動産相互の間に代替、競争等の関係が成立し、その結果、両地域は相互に影響を及ぼすものである。
また、近隣地域の外かつ同一需給圏内の類似地域の外に存する不動産であっても、同一需給圏内に存し対象不動産とその用途、規模、品等等の類似性に基づいて、これら相互の間に代替、競争等の関係が成立する場合がある。
同一需給圏は、不動産の種類、性格及び規模に応じた需要者の選好性によってその地域的範囲を異にするものであるから、その種類、性格及び規模に応じて需要者の選好性を的確に把握した上で適切に判定する必要がある。
同一需給圏の判定に当たって特に留意すべき基本的な事項は、次のとおりである。
� ‖霖�
ア 住宅地
同一需給圏は、一般に都心への通勤可能な地域の範囲に一致する傾向がある。ただし、地縁的選好性により地域的範囲が狭められる傾向がある。
なお、地域の名声、品位等による選好性の強さが同一需給圏の地域的範囲に特に影響を与える場合があることに留意すべきである。
イ 商業地
同一需給圏は、高度商業地については、一般に広域的な商業背後地を基礎に成り立つ商業収益に関して代替性の及ぶ地域の範囲に一致する傾向があり、したがって、その範囲は高度商業地の性格に応じて広域的に形成される傾向がある。
また、普通商業地については、一般に狭い商業背後地を基礎に成り立つ商業収益に関して代替性の及ぶ地域の範囲に一致する傾向がある。ただし、地縁的選好性により地域的範囲が狭められる傾向がある。
ウ 工業地
同一需給圏は、港湾、高速交通網等の利便性を指向する産業基盤指向型工業地等の大工場地については、一般に原材料,製品等の大規模な移動を可能にする高度の輸送機関に関して代替性を有する地域の範囲に一致する傾向があり、したがって、その地域的範囲は、全国的な規模となる傾向がある。
また、製品の消費地への距離、消費規模等の市場接近性を指向する消費地指向型工業地等の中小工場地については、一般に製品の生産及び販売に関する費用の経済性に関して代替性を有する地域の範囲に一致する傾向がある。
エ 移行地
同一需給圏は、一般に当該土地が移行すると見込まれる土地の種別の同一需給圏と一致する傾向がある。ただし、熟成度の低い場合には、移行前の土地の種別の同一需給圏と同一のものとなる傾向がある。
�◆’醒�
同一需給圏は、一般に当該農地を中心とする通常の農業生産活動の可能な地域の範囲内に立地する農業経営主体を中心とするそれぞれの農業生産活動の可能な地域の範囲に一致する傾向がある。
�� 林地
同一需給圏は、一般に当該林地を中心とする通常の林業生産活動の可能な地域の範囲内に立地する林業経営主体を中心とするそれぞれの林業生産活動の可能な地域の範囲に一致する傾向がある。
�ぁ仝�込地
同一需給圏は、一般に当該土地が転換すると見込まれる土地の種別の同一需給圏と一致する傾向がある。ただし、熟成度の低い場合には、転換前の土地の種別の同一需給圏と同一のものとなる傾向がある。
�ァ〃�物及びその敷地
同一需給圏は、一般に当該敷地の用途に応じた同一需給圏と一致する傾向があるが、当該建物及びその敷地一体としての用途、規模、品等等によっては代替関係にある不動産の存する範囲が異なるために当該敷地の用途に応じた同一需給圏の範囲と一致しない場合がある。
2.対象不動産に係る市場の特性
地域分析における対象不動産に係る市場の特性の把握に当たっては、同一需給圏における市場参加者がどのような属性を有しており、どのような観点から不動産の利用形態を選択し、価格形成要因についての判断を行っているかを的確に把握することが重要である。あわせて同一需給圏における市場の需給動向を的確に把握する必要がある。
また、把握した市場の特性については、近隣地域における標準的使用の判定に反映させるとともに鑑定評価の手法の適用、試算価格又は試算賃料の調整等における各種の判断においても反映すべきである。
第2節 個別分析
�機仝鎚綿�析の意義
不動産の価格は、その不動産の最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成されるものであるから、不動産の鑑定評価に当たっては、対象不動産の最有効使用を判定する必要がある。個別分析とは、対象不動産の個別的要因が対象不動産の利用形態と価格形成についてどのような影響力を持っているかを分析してその最有効使用を判定することをいう。
�供仝鎚綿�析の適用
1.個別的要因の分析上の留意点
個別的要因は、対象不動産の市場価値を個別的に形成しているものであるため、個別的要因の分析においては、対象不動産に係る典型的な需要者がどのような個別的要因に着目して行動し、対象不動産と代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度をどのように評価しているかを的確に把握することが重要である。
また、個別的要因の分析結果は、鑑定評価の手法の適用、試算価格又は試算賃料の調整等における各種の判断においても反映すべきである。
2.最有効使用の判定上の留意点
不動産の最有効使用の判定に当たっては、次の事項に留意すべきである。
(1)良識と通常の使用能力を持つ人が採用するであろうと考えられる使用方法であること。
(2)使用収益が将来相当の期間にわたって持続し得る使用方法であること。
(3)効用を十分に発揮し得る時点が予測し得ない将来でないこと。
(4)個々の不動産の最有効使用は、一般に近隣地域の地域の特性の制約下にあるので、個別分析に当たっては、特に近隣地域に存する不動産の標準的使用との相互関係を明らかにし判定することが必要であるが、対象不動産の位置、規模、環境等によっては、標準的使用の用途と異なる用途の可能性が考えられるので、こうした場合には、それぞれの用途に対応した個別的要因の分析を行った上で最有効使用を判定すること。
(5)価格形成要因は常に変動の過程にあることを踏まえ、特に価格形成に影響を与える地域要因の変動が客観的に予測される場合には、当該変動に伴い対象不動産の使用方法が変化する可能性があることを勘案して最有効使用を判定すること。
特に、建物及びその敷地の最有効使用の判定に当たっては、次の事項に留意すべきである。
(6)現実の建物の用途等が更地としての最有効使用に一致していない場合には、更地としての最有効使用を実現するために要する費用等を勘案する必要があるため、建物及びその敷地と更地の最有効使用の内容が必ずしも一致するものではないこと。
(7)現実の建物の用途等を継続する場合の経済価値と建物の取壊しや用途変更等を行う場合のそれらに要する費用等を適切に勘案した経済価値を十分比較考量すること。

【留意事項】
�検崛輜逝茖蕎蓮|楼菠�析及び個別分析」について
1.地域分析の適用について
(1)近隣地域の地域分析について
� ゞ疥拊楼茲涼楼菠�析は、まず対象不動産の存する近隣地域を明確化し、次いでその近隣地域がどのような特性を有するかを把握することである。
この対象不動産の存する近隣地域の明確化及びその近隣地域の特性の把握に当たっては、対象不動産を中心に外延的に広がる地域について、対象不動産に係る市場の特性を踏まえて地域要因をくり返し調査分析し、その異同を明らかにしなければならない。
これはまた、地域の構成分子である不動産について、最終的に地域要因を共通にする地域を抽出することとなるため、近隣地域となる地域及びその周辺の他の地域を併せて広域的に分析することが必要である。
�◆ゞ疥拊楼茲料蠡佚�位置の把握に当たっては、対象不動産に係る市場の特性を踏まえて同一需給圏内の類似地域の地域要因と近隣地域の地域要因を比較して相対的な地域要因の格差の判定を行うものとする。さらに、近隣地域の地域要因とその周辺の他の地域の地域要因との比較検討も有用である。
�� 近隣地域の地域分析においては、対象不動産の存する近隣地域に係る要因資料についての分析を行うこととなるが、この分析の前提として、対象不動産に係る市場の特性や近隣地域を含むより広域的な地域に係る地域要因を把握し、分析しなければならない。このためには、日常から広域的な地域に係る要因資料の収集、分析に努めなければならない。
�ぁゞ疥拊楼茲涼楼菠�析における地域要因の分析に当たっては、近隣地域の地域要因についてその変化の過程における推移、動向を時系列的に分析するとともに、近隣地域の周辺の他の地域の地域要因の推移、動向及びそれらの近隣地域への波及の程度等について分析することが必要である。この場合において、対象不動産に係る市場の特性が近隣地域内の土地の利用形態及び価格形成に与える影響の程度を的確に把握することが必要である。
なお、見込地及び移行地については、特に周辺地域の地域要因の変化の推移、動向がそれらの土地の変化の動向予測に当たって有効な資料となるものである。
(2)近隣地域について
近隣地域の範囲の判定に当たっては、基本的な土地利用形態や土地利用上の利便性等に影響を及ぼす次に掲げるような事項に留意することが必要である。
� ー�然的状態に係るもの
ア 河川
川幅が広い河川等は、土地、建物等の連たん性及び地域の一体性を分断する場合があること。
イ 山岳及び丘陵
山岳及び丘陵は、河川と同様、土地、建物等の連たん性及び地域の一体性を分断するほか、日照、通風、乾湿等に影響を及ぼす場合があること。
ウ 地勢、地質、地盤等
地勢、地質、地盤等は、日照、通風、乾湿等に影響を及ぼすとともに、居住、商業活動等の土地利用形態に影響を及ぼすこと。
�◆/擁古�状態に係るもの
ア 行政区域
行政区域の違いによる道路、水道その他の公共施設及び学校その他の公益的施設の整備水準並びに公租公課等の負担の差異が土地利用上の利便性等に影響を及ぼすこと。
イ 公法上の規制等
都市計画法等による土地利用の規制内容が土地利用形態に影響を及ぼすこと。
ウ 鉄道、公園等
鉄道、公園等は、土地、建物等の連たん性及び地域の一体性を分断する場合があること。
エ 道路
広幅員の道路等は、土地、建物等の連たん性及び地域の一体性を分断する場合があること。
(3)対象不動産に係る市場の特性について
� ’聴�の観点
ア 同一需給圏における市場参加者の属性及び行動
同一需給圏における市場参加者の属性及び行動を把握するに当たっては、特に次の事項に留意すべきである。
(ア)市場参加者の属性については、業務用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の業種、業態、法人か個人かの別並びに需要者の存する地域的な範囲。
また、居住用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の年齢、家族構成、所得水準並びに需要者の存する地域的な範囲
(イ)(ア)で把握した属性を持つ市場参加者が取引の可否、取引価格、取引条件等について意思決定する際に重視する価格形成要因の内容
イ 同一需給圏における市場の需給動向
同一需給圏における市場の需給動向を把握するに当たっては、特に次に掲げる事項に留意すべきである。
(ア)同一需給圏内に存し、用途、規模、品等等が対象不動産と類似する不動産に係る需給の推移及び動向
(イ)(ア)で把握した需給の推移及び動向が対象不動産の価格形成に与える影響の内容及びその程度
�◆’聴�のための資料
対象不動産に係る市場の特性の把握に当たっては、平素から、不動産業者、建設業者及び金融機関等からの聴聞等によって取引等の情報(取引件数、取引価格、売り希望価格、買い希望価格等)を収集しておく必要がある。あわせて公的機関、不動産業者、金融機関、商工団体等による地域経済や不動産市場の推移及び動向に関する公表資料を幅広く収集し、分析することが重要である。
2.個別分析の適用について
(1)個別的要因の分析上の留意点について
対象不動産と代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度を把握するに当たっては、次の点に留意すべきである。
� ‘碓賤囘咾良堝飴困亮�要の中心となっている価格帯及び主たる需要者の属性
�◆‖仂殄堝飴困領�地、規模、機能、周辺環境等に係る需要者の選好
�� 対象不動産に係る引き合いの多寡
(2)最有効使用の判定上の留意点について
� |楼萢廾�が変動する予測を前提とした最有効使用の判定に当たっての留意点
地域要因の変動の予測に当たっては、予測の限界を踏まえ、鑑定評価を行う時点で一般的に収集可能かつ信頼できる情報に基づき、当該変動の時期及び具体的内容についての実現の蓋然性が高いことが認められなければならない。
�◆〃�物及びその敷地の最有効使用の判定に当たっての留意点
最有効使用の観点から現実の建物の取壊しや用途変更等を想定する場合において、それらに要する費用等を勘案した経済価値と当該建物の用途等を継続する場合の経済価値とを比較考量するに当たっては、特に下記の内容に留意すべきである。
ア 物理的、法的にみた当該建物の取壊し、用途変更等の実現可能性
イ 建物の取壊し、用途変更後における対象不動産の競争力の程度等を踏まえた収益の変動予測の不確実性及び取壊し、用途変更に要する期間中の逸失利益の程度


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