窓のそと(Diary by 久野那美)
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最近なんだか毎日ばたばたしていて、 頭の中がドラム式の洗濯機のようになっている。 (でも何もきれいにならない。むしろ散らかる一方。)
何にも考えない時間がほしくて、突然思い立ってひとりで温泉に行ってみた。バスを2つ乗り継いだところにスーパー銭湯仕立ての天然温泉があるのだ。小さな露天風呂につかってぼおおおおおおっと空を見る。 電線にすずめが1列に並んでいる。 今日はすずめは見ないようにしようと決めて反対側を向く。 すずめは疲れるから。 小さい岩の間からお湯が落ちてくるのをぼんやりと眺め、 ぬるめのお湯に溶けそうになりながら、じいっと、ただ、じいっと座っていた。静かで、とてもよい具合。
考えない。何も。お湯のこと以外は。
そうしていると、 不思議なことに、涙があふれてきた。 なるほど、これで頭の中のもの、洗い流すのか。
じゃぶじゃぶじゃぶ。
何も、考えずに、考えずに、じゃぶじゃぶしていた。 もちろん、静かに。音をたてるこなく。
温泉のいいところは、その程度では誰も、「どうしたんですか?!」 と聞いてきたりしないことだ。
お湯から出ると、またバスを乗り継いで帰ってきた。 家についたら夜だった。
夜、帰ってからお風呂に入らなくていい、というのは すごく得した気分だった。
すっごく休日っぽい過ごし方をまたひとつみつけた。
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