*ブルーノイズ*
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 コイビトゴッコ。(ざわめきの中で。)
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
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はしゃぐアタシを階段の踊り場へ。
はしゃぐアタシに眼で問いかけるアイツ。
はしゃぐアタシははしゃげなくなる。
ああ。逃げられない。



そこはゲームセンター。
プリクラをとるフロア。
そしてその階段。
エレベータやエスカレータもあるから、
階段は比較的、人道りはすくない。

階段の壁に追い詰められて。
アタシは覚悟をきめる。

逃げられない。
そろそろ、逃げられないぞ。

へたへたと、座り込む。
あわせてアイツも座り込む。

『・・・・・・』

覚悟をきめたつもりでも
いざとなったら切り出せない。

『なんだよ。ゆってみろよ。』

ぶっきらぼう気味に。
でも、やさしく。
アイツはアタシに問いかけた。


『大丈夫。って、ゆって?』


深呼吸をいっこしてから、
はしゃいでかくしてた本題をやっとさらけだした。

『・・・だーいじょーぶかぁ?』

なんで?とか、何があった?とかではなく、
それを聞く前に答えてくれた。
しかし間違ってるw


『ちがう!!(切)w
推量形じゃなくて、断定系で・・・・』



ああ、そうか、悪い悪い。

そうゆってアイツは言葉を口にした。



『大丈夫。』

>>『。。。。もう一回。』

『大丈夫だ。』

>>『・・・・・もっと。』

『・・・・・大丈夫だ。大丈夫。』



やっと。
やっともらえた自分以外からの言葉。
欲しかったもの。
崩れそうなココロを、支えるために、
自分勝手に要求したもの。

肩が震えた。
何度もねだった。







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数歩歩いた先はフロア。
そこから人がちらちらのぞいてるのも、わかっていた。

少ないとはいへ、人がとおったりするたび、
階段にすわりこんで。
並んですわりこんで。
オトコがオンナの頭にてをおいて、
やさしくなでながら、
オンナは肩を震わせ、うつむいている。

そんな光景は、
詮索はしなくても、
何事もないかのようには通りすぎれない光景で。
何か上のほうや下のほうで、
視線をかんじたり、
なにかこそこそいわれてるのを感じつつも、
でも、
そんなことを気にする余裕はなくて。
そんなことを気にするアイツでもなくて。

フロアと少し距離はあっても、壁もない。
人の込み合うゲーセンのざわめきが
ガラス越しのことのような音にしか、
きこえなかった。


なかない。なかない。
なきそうだけれど。

ないてはいけない。
涙はいけない。

欲しいものを手に入れたのに。
せつなさがあふれてきて仕方がなかった。


>>続く・・・・・・










2003年06月10日(火)
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