脳内世界

私が捉えた真実、感じた真実などを綴った処です。
時に似非自然科学風味に、時にソフト哲学風味に。
その時その瞬間、私の中で、それは真実でした。


※下の方の○年○月っていうのをクリックすると、ひと月ぶんはまとめ読みする事ができます



 七つの大罪 あといくつ?


『滅びへ向かう光よ 全ての死すべき者達よ

嗚呼...茜空{そら}よ 人間は何に従うべきで 何を探すべきなのか?』

(S.o.u.n.d. H.o.r.i.z.o.n 死.せ.る.者.達.の.物.語 -Ι.σ.τ.ο.ρ.ι.α- より)


最近この「脳内世界」はすっかり私のただの日記に成り下がってしまってつまらないが(しかもその日記すらしょーもないモノだが)、これは今しか書けない気がするのでしばらくは書き続ける。



師長さん「”正直こんな事態にまでなったら、内部告発だって充分起こりうるんですよ。でも私たちは別に喧嘩したいわけじゃなくて、協力して仕事がしたくて、私たちはただまっとうに仕事がしたいだけなのに、”…って言ったんよ…」



今日は看護師長さんと病院長、さらに上の人(役職名は忘れた)とかで首脳会議があったらしい。
すると、今回の件に関して、心外科にかかわる麻酔科医たちや他の科のドクターやスタッフも(便乗して)、「心外科医師の尻拭いは嫌だ」「ついていけない」みたいな苦情が多発したらしい。
で、それを見過ごせなくなった病院長は、そういった他スタッフの苦情を受けて心外科のドクターに警告をすると。それで何も変わらなかった場合は、評価をした後に まあ、 パワハラとかそういう扱いとして、正規の手順に沿って処分に持っていく(訴える とか)とのこと。
で、とりあえずPICUはなくさずに、4床のままで回すことになったらしい。

そうですか。要するに私たち三人のみ、もしくはあとほんの少しの人間が、CCUに行ったきりおそらくもどってこれないということですね。


しかし、もともとナースが辞めるとか、個人の主観によるところの大きい問題であるがゆえに、「評価」はきわめて難しいだろうと思う。
たとえばCCUに行かされた私たちが、途中で「やっぱり無理です!!」みたいなことになって辞めたらそりゃあ多少は見直すのかもしれないが、今までのナースの辞めたことに関しても「そのナース自身の問題」と言い切る心外ドクターたちに、どう「評価」として突きつけるというのか。
もともと心外科しか知らない私たちはある程度耐性がついている。
しばらくの期間なら、やってやれないことはないと思う。
今更ドクターに何言われたところで、たぶん動じないと思う。
けれど、それで「事態が好転した」みたいな評価をされるのは甚だ心外であるし、それで他の科からいきなりやってきたナースが辞めないなんていう保証はどこにもない。評価にもならない。

どうやって「評価」するつもりなのか。
どうなったら「よし」とするつもりで、どうなってしまったら「だめだ」と言うつもりなのか?
問題はドクターのパワハラなんていうものだけでは決して無い。
「だめだ」と評価した場合、ドクターに何らかの措置をするとして、それで本当に事態がよくなるとでも思っているのか?
その後の評価はどうするのか?
第一、どういった問題かあきらかにも出来ていないのに、正直有効な対処なんて出来るわけがないだろう。

病気の原因を治療せずに、対症療法ばかりしているような事態に見えてならない。
ころころ事態が変わって、最終的にどうなっていくのか見ものである。
まあ、最後まで付き合う気なんてさらさら無いが。

私たちがつぶれたら、またPICUの人間を補充すればいい。
そしてつぶれたら、他科から、PICUから、補充をしていくのだろう。
使い捨てのような考え方と言ってしまったら大変に聞こえが悪いが、
事実そういう人間の使い方をしているのだから仕方ない。

ベテランの認定看護師さんと、事情があって患者五人に対して二人夜勤であった。
夜勤が終わったあとに、この件に関していろいろ話していた。
この看護師さんは、本来けっこう厳しいところもあるしきちんとした考えの、実にまっとうな、人間としてもナースとしても、すごくすてきなナースである。後輩への教え方も、よいものを適切に教えてくれている。
その人が、弱弱しい笑い方をして、

「私あそこ(PICU)で教えるのがちょっと嫌になってきちゃった…、
なんかCCUのための軍需工場みたいなんだもん…、」

思わず、笑ってしまった。

「そうですね! こう、手間ひまかけて丹念に教えてあげても、あの北みたいなところで、使い捨てられる運命にある人間を作っているようなものですもんね。なんていうか、食用の牛を育ててるみたいですよね。いずれ屠殺するためにね」

「ほんとだよ、もう…”ごめんねー…!ごめんねー…!!”って言ってね…。もう、ほんとに……、そうだよねぇ。そんなことのために教えるの嫌になってきちゃった…」

あぁあ、こんなまっすぐな人の心まで痛めさせて。罪深いな。




*********

膿っていうのはさ、ぜんぶ取り出さないと傷は治らないんだよね。

腐った組織を再生させるのも、不良肉芽はきちんと取り除かないと、
新しいきれいな組織は再生してこないよ。
場合によってはちゃんとオペ室で、除去術を行わないとね。

そう、消毒も忘れずにね。

常在菌もそうでない菌も、いったんぜんぶなくしてしまわないと。

そして、抗生剤も必要だね。 栄養もしっかりつけてあげないと、その組織の再生は遅くなってしまうよ。 ちゃんとカロリーは足りてるかな? 不足している電解質は無いかな?

他の部分に無駄なエネルギーをとらせていない?
全身管理もきちんとね。

あと、創部痛がある箇所もあるよね。
疼痛管理はしっかり行って、患者さんに無駄なストレスや体力をかけさせちゃいけないよ。

そして傷をうめるようにつける、適切なクリーム(薬剤)と、傷を保護するための清潔なガーゼも必要だね。

ちゃんと全身状態のモニタリングや創部の観察はしているかな?
傷は、ちゃんと治ってきているかな?

ほら。

何かの組織を修復させるっていうのは、並大抵なことじゃないよ?


え? よくならない?

    アンプタ
じゃあ、切断しないと。 全身やられてしまうよ。

共倒れになってもいいなら、もう何も言わないけどね。


2010年08月06日(金)
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