浪奴社員の呟く
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届く連れからのメールは、結構有り難いんよな。このところ失速しかかってたんでな、そういう部分での後押しとしては、最適やったかもしれん。向こうが描くワシの姿は、ワシのあるべき姿として反映されているから、今のワシがそうでないとすれば、掲げた場所から離れていってることを叙述してるんでな。いや助かったと思ってる。
受け容れがたいものを感じてるんやな、だから否定するために必死になって、本心を上手く覆い隠してみせるのは、何かを取り戻すためではなく、深層における純朴の至らぬ証左でしかない。いや恐らくは誰だってそうなのだろう、彼一人を除いて。己の醜さをその有態のまま容赦してしまえるほど、寛大な奴がいるわけがなく、背後に控える純然に濃淡を預けて、人々を欺きながら日々を過ごしていればいい。信頼を得ることは、許しを得るまでの表層の厚顔でしかなく、使途の分別が無かったあの頃に知るなら、見逃すはずが無い。
ワシを中学くらいから知る人に最近会ったんやけど、「鋭くなった」「怖くなった」そない言われたんよな。元々そういう感じやったように思うんやけど、そない言われると悩ましいな。やっぱり触れさせないための芝居かもしれん。そう考えると、二者択一の脅迫は案外近いのかもしれん。
結局は何のために、何故に、どのように、此処に居るのか、だけなんやな。奇麗事に欺飾された生活に微塵も惹かれることはないが、醒めた本能の遥か枢に凍る炎が青白く揺れていることに、悟られるわけにもいかない。
「ワシの全ての97%は計算されてるんよ。」
話半分、真実半分。巷を賑わす誰とやらに、同じ臭いを感じてしまう。物事の帰結を知りながら、因果の浮沈を眺めながら、そうしながらも何一つ変わらないのは、類似の嫌悪に相違ない。
眼前に聳える障壁は数えて幾年を過ぎても、色褪せず腐蝕せず恐らくは半永久にその姿を曝し続けても、何一つ衰えを見せぬままに己の中で生き続ける。寧ろ語り始めることは容易く、それでは負するに値しないから、行き交う言語に力を込めても及ばない。
あの音から感じたものは、冷徹な客体からの視線だから、「この啼きは不器用な生物の至らぬ痛みで、か弱い旋律からの転落は見透かされた己の打算で、それを知り尽くす乍らも至言に依らぬ逃亡を繰り替えす、そんな自分が嫌い」いや、そう聞こえたのは己の中で、だけかもしれない。無様やな。
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