楽天的日常物語
Written by ユオ
Material by Amane(RainRain)
Skin by caprice*


■ 教習日記18 2002年11月22日(金)

だいぶ前の話になるけれど、第2段階には予約しなければならない項目があって、そのうちの1つが「応急救護」だ。なかなか休みと実施日が合わなくて最後まで残ってしまった学科でもある。やっと休みと実施日が合ったのでさっそく予約して講習を受けることに……。前々から色々な人に聞いてはいたけれど、応急救護は寒いらしい。ちなみに、その日は若い男3人、年輩男性1人、年輩女性1人、私の計6人での講習だ。
まずは、お決まりでレーザーディスク鑑賞。これはあっという間に終わって、教官からの説明が始まる。人工呼吸などの基本的な説明、けが人の止血の仕方などなど。
ちなみに、私は「血」関係の話はダメなので、もう我慢大会のようでした。血とか脈とか血管とかダメなのね。でも、やっぱり「応急救護」だから、そういう話は必要不可欠で、ああああ…もう気持ちが悪くってどうにもならんかった。
だって、動脈を押さえるとか……ああ、もう思い出しただけで寒い。自分の脈を触るのも嫌なのに「脈をさがせ」と言われて「脈、分かりません」って言ったら「このへんにあるでしょ」と言われた。ううう……キモ。そんで教官に動脈を押さえられて更にキモ。「脈が止まった?」と聞かれた。実は真面目に脈を押さえて居た訳ではないので脈が止まったんだか止まってないんだか分からなかったが「止まりました」と言っておいた。ここでバカ正直に「分かりません」なんて言ったら、さらに厳しい我慢大会になってしまう。
足の動脈はココ、とか、足首からしたが出血していたら、足の甲の血管を押さえるとか………あーもう吐きそう。キモ。キモキモキモ!!
その後、倒れる人を救護する基本的な応急処置?みたいなもの。2人ひと組で1人は倒れてる役。ちなみに私は年輩女性と組まされ、私は倒れ役。セリフも教官が言った通りに言わなくてはならず、
「人が倒れてます」
「周囲状況の確認」
倒れてる人(私)に近付き、肩を叩いて呼び掛ける。
「もしもーし、もしもーし!大丈夫ですか?もしもーし!!」
返事か、体が動いたか、目を開ければOK。
回復体位。
倒れている人の体を横に向けて、足と手を前に出して支えにし、何か吐き出したい時に吐き出せるように顎を上へ向ける。

が。

何を勘違いしたのか、私はおばちゃんに顎を下へ向けられた。
「それじゃ死んじゃうよ!」
なんてね。
つか、この人には助けられたくねぇ。
「それは逆、上へ向けて下さい」
と教官に言われて、私は顎を上へ向けさせられた。

次は、いよいよ人工呼吸。
先ほどと同じことをくり返し、
3回呼び掛けても返事が無い場合。
「誰か、119番お願いします!御協力お願いします!」
…人を呼ぶ。
人工呼吸は、さすがに人形相手だったけど、なかなか上手く行かない。心臓マッサージも難しいし、体力がいる。
今は、人工呼吸をするのにも、カバーがあって、口の中の血などで血液感染を防ぐための器具だ。なかなか進歩したものだ。
中学校の保健体育でも少しだけやったけれど、どうーもその時の記憶と違っている点があって、例えば止血は最後の手段で、頑張って手で動脈を押さえろとか(中学校の保健体育では、いきなり止血帯の仕方を習った)止血帯を使っての止血は、そこから下を切断される覚悟でしなければならないそうだ。

……危ない知識が植わっていたな。

人工呼吸は、息を吹き込む時間とあわせて5秒。つまり、中3秒置く、という事。
ちなみに中学校保健体育では、5秒数えてから吹き込むと習った記憶がある。

……全然、合ってねーじゃん?

とーにーかーく、
もうー我慢我慢の3時間。
きっと、私はかなり変な顔をしていたに違い無い。
「むあ」
とか。
「のああ」
とか。
「くあああ」
とか思ってたから。
いや、言っちゃいませんが。
顔には出てただろうし、行動も妙だったかもね。
うわ。
あいつ変だよ、大丈夫か?
とか思われたかも、エヘ!
いいもん、変だもん。

‥‥とことん、医療系の仕事には向いていないと実感したのだった。つか、いざ応急救護なんて出来ないだろうな、きっと(^^;
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