2002年08月05日(月)
レター制作作業



れん

最近、書きこ筋のほうに、インド留学に関する質問いただいてます。どうもありがとうございます。んで、そのなかで、入学手続きに必要な書類のひとつとして、英語力を証明する書類、これに関する質問いただいてます。引用させていただきますと

英語力などはどの程度で認められますか?
英語力は入学する際どの程度必要ですか?
インドはイギリスの影響の方が強いのでIELTSじゃないとだめなのかな〜とか心配してるんですけど、トーフルでも証明できますか?
ICCR奨学金とかにも「十分な英語力」ってかいてあったんですけどどの程度なんでしょう。

などなど。けんたさん、引用させていただきました。どうもありがとうございます。

これ読みながら、なんといっていいのか懐かしいというか面白いというかなるほどなあというか、でもほんとそうだよねえって感じでなかなか感じられないこと普段気づかなかったことに感心してしまいました。まあ別にたいしたことじゃないんですけど、インドにおられる方、また滞在経験のある方にはお分かりと思うのですがこの英語力を証明する書類っての

『○○を証明する書類』
いわゆる、レター社会への
登竜門っぽくない?

そうなんっすよ、これこれ。普通日本じゃ絶対色んな形式を掲示してくれるんっすよね。例えば××の試験でなん点以上だとかって。んでそのテストを運営する協会から結果とか書類とか、あとは大学とか学校から出してもらえる証明書とかとか、そういう書類を申請して、んで届くのを待つんですよねえいわゆる受動的だし機械的だししっかりとした制度があるんですよね。そういう仕組なんですよねえ。

とにかくインドはこの『○○を証明する書類』社会ですよね。こういうの、いっぱいあるんですよ。あらゆるところで、あらゆる時に、あらゆることに必要なんですよね。なんでも書類が必要なんです。大学の事務なども口頭じゃなかなか進まないというか相手にされない、やりたいことについての書類、欲しいものについての書類、いわゆるインドではレターといいますが、これを持って、んでいろんなとこに行っていろんな人に会っていろんな人に訊きこみ調査して、んで解決方法を見つけていくんですよ。やっとその窓口に辿り着いたと思ったらそこで、こうこうこういうものを証明するレターを持ってきなさい、とまたなるわけですね。これが、インドでいういわゆる、手続き、なんですよねえ。

んで、核心であるこのレターの形式についてですが、もちろん正式などこどこから出してもらったきっちりとした書類ってのもあるんですが、その他大多数のレターってのはいわゆる手書きなんですよ、簡単に言うと。要は自分で作るんです。自分でも書くし、人に頼んだりもするし(例えば学校の先生とか)、それとか自分で文面作ってサインを偉い人からもらったり。レター制作作業、なんですね。このレター制作作業ってのが、この「手続き」の中ですっごい大きなポイントのひとつなんっすよ。

インドでの手続きってのは『駆け引き』なんですよね。この『駆け引き』をどう自分に有利に進めていくか、このためにこの「レター制作作業」はけっこう大事なんですよ。どのポイントを売りにするか、相手が何を求めているか満足してくれるか、何に対してひっかかってるのか、などなどを上手にレターとして表現していくんっすよ。んで巧くレターを作って、んでそれを有効活用しながら実際に人と口頭で交渉をしていくんですね。『手続き』は『駆け引き』なんですよねえ。でもウソ書くんじゃないですよ。んで面倒くさがっちゃダメ。それからぜったい喧嘩しちゃダメ。味方をつくる作業。じょうずに。

先輩がインドは
discretion の社会」
といってましたが、ホントそうだなあと。

面倒な面もありの、腹立つことも多々ありの、でもですね、日本の手続きを上では受動的で機械的で制度的って書きましたが、んじゃインドレター社会は能動的で人間味あって融通とか応用の利くものかも、そういう社会なんだと考えると、あの苦労もちょっとは我慢できるのかも。いや、やっぱあんまりできないかなあ。でもこういう社会ですよね、自身の適応性とか順応性、ガッツガッツと試されまくりますよ。まずは忍耐、次に忍耐、んで最後は忍耐。

ということで、普段気づかないけど、今回ちょっと思い出させてもらったんで書きました。まああんまり参考にはしないで下さい。このニュアンス、書き表すのはムズイ。

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