2002年09月08日(日)
大変な一日



れん

やっとのことで重い腰を挙げ、自分の部屋に戻りました。
まずはリュックを背負い、バイクに乗って、自分の部屋へ。
バイクはサービスに出したばかりなので、クラッチかたくて左手がつりそう。
部屋でリュックを下ろし、鞄に持ち替え、いざ大学へ。
すると選挙活動の真っ最中。明日はいよいよの投票日とのこと。みんなけっこう興奮気味です。

インドの大学の自治会の選挙ってのは、さすがお国柄というか、とにかく意味もなく大事なんです。一大事なんです。もちろん授業もストップするし、投票日は授業も事務手続もすべてお休みになるし。大学の自治会といっても軽く見られません。それそれの組織は政党と直結してるんで、その力たるや絶大なもの。しかし何せインドなんでこちらもお国柄、ゴシップ記事には事欠かない様子。○○(団体名)の××(人名)が寝返っただの、△△が相手候補者に立候補を取り消すよう脅迫されただの。この時期は毎日、朝刊夕刊の紙面を埋めてます。こういう恐ろしいものなので、大屋さんとか知り合いのインド人は、危険だから投票日には大学に行くなよ、と警告をくれます。まあそんなに危険ではないんでしょうけどね。

最近の傾向。それは、どこの団体も女性の候補者をカオにしてるということ。しっかり一般誌にも顔写真掲載されますし、デリーの街じゅういたるところに印刷ビラが貼られてます。かなり修正してぼかしまくった写真ですが、みんなけっこうかわいいコばかりです。インド人男性の浅はかさがにじみ出ちゃってしまいます。僕もそのうちの独りなもんで、情けないというか悲しいかな。女性の皆さん、怒らないでください。でも、今まで写真ではいつでもどこでも見かけてたのですが、今だに実物を見たことがなくって。でもやっとお目にかかることができました、今回のデリー大学自治会プレジデント候補者。デリー大学のトップポストですね。選挙運動パレードにやっと遭遇できました。その女性候補者、けっこう背の高い上品そうというか貴位高そうというか、なかなかきれいでありました。四人のごっつい男ボディーガートでサイドとバックを固め、後ろには支援者50人ほど引き連れて、しかもみんな男衆でアホ丸出し興奮状態でシャウトしまくりいの。彼女はツンっと口は決して開かず眼だけで笑い髪の毛アップで、颯爽と先頭を肩で風切って足早に歩みさって行ってしまいました。なんだか彼女のクールさ加減と男衆の暑苦しさむさ苦しさ、彼女の冷たい香りと男衆のこっちまで臭いのがついちゃいそうな匂い、余りの対照に僕だけじゃなくその場にいた見物人みんな、なんかあっけにとられてしまったというか、一本とられてしまった感でした。ああなっちゃうと、ほんとに凄い演出というか完璧な自然のスポットライトというか、紅一点という言葉を、まさに字の如くみせつけられた、そんな感でした。

話はうちの学部に移りまして、とにかくまずは友だち見つけないと、んで今学期の情報を収集しないと、とかなり気合入れて学部へ行ったのですが、しかしこの時期はぜんぜん苦労しないでいいんです。っていうのも、選挙中なもんで、みんな向こうから僕を探しては寄って来てはいろんな情報を懇切丁寧にくれるんです。んで最後に、この候補者をヨロシクって。助かります。

大学の選挙ってのは一斉にありまして、一番デカイのが大学全体のレベルの選挙。大学の自治会のプレジデントとかセクレタリとかとか。んで学部ごととかカレッジごとのプレジデントとかその他役職の選挙。学士レベルとポストグラジュエイトでもまた別々の自治会なもんでそれぞれの候補者が立ってるんです。んで同じ日に一斉に投票があるというわけ。いくつも階層があるんです。ということでうちの学部。法学部の修士コースとなると、まあなにせ規模が小さいもので、なんとうちの自治会にクラスの子が何人も候補しているとのこと。候補者のほとんどが皆顔馴染。まあ腹の中はどうだか分かりませんが、しかしうちの選挙はフレンドリーな雰囲気のなか行なわれてました。候補者同士がワイワイおしゃべりしながら。んで話をきくとなんと仲のいいサルダルジーも立候補していまして、みんなから、おまえも応援しろ、当然だろがレン、となってしまい、今まで一度も投票したこともないし、今回もワケありで投票できないような僕なのですが、今年うちのコースに入学した外国人留学生にお願いする担当にさせられてしまいました。初の選挙活動。まあインドネシア人の女の子とイランからの男の子とダベって、んでちょっと頼んで、それだけですが。あんまりというか全然効果はないでしょうけど。しかし恐ろしく混雑きわまる銀行に危うく付合わされるところでした。

なんとか銀行付合いを振り切り、急いで部屋に戻り、午後1時半恐ろしいほど変貌を遂げてしまったこの状態を、何とか今晩無事に床に就くべく、部屋の大掃除大会開始。まずは箒から。そして水まきして最後は雑巾。箒に2時間、水まき、雑巾に1時間半かかり、もう汗びしょびしょ。着てたTシャツのその汗は、次の日まで乾きませんでした。日頃掃除なんてなかなかしないし、今回の日本帰国はかなりの急だったので、もう試験終了とともに走り回り飛行機飛び乗った感だったので、もう試験のまんま、散らかしまくりの部屋、その上にしんしんと降り積もる重い砂埃。そんな部屋だったので、もう箒のかけ過ぎで腕が筋肉痛です。鼻の穴の中も次の日までもう真っ黒でした。

んでシャワールーム掃除してる時、ちょうど4時半、なんと停電。真っ暗な中、しょうがなくシャワーを浴びて、うだうだ。しかし待てどくらせど電気復活しないので、もう今日の掃除続行は諦め、7時に外出、夕食に久々のチベタン・キャンプ。モモとティントゥクを頂戴しました。久々のモモ、美味かった。驚きは、ティントゥクが皿で出てきたこと。まあでも味はおんなじで満足おなか一杯でした。やっぱり安いし美味いし、外せないなあ。

さて部屋に帰ってPCでも久々開くか、んで新しいソフトとか入れてみるか、とかとか思いながら部屋に戻ると、しかし停電続行中。大家さんから、停電がインド帰国をお祝いしてくれてるねえ、などと不吉なことを言われ、まあでも久々に掃除した部屋なので気持ちもいいし、ベランダに椅子を出し、だらりと座ってました。みんな表に椅子とかベッドとか出してそこでゆったりくつろぎ中。そんな心地好い雰囲気を久々堪能しつつ、蚊に喰われつつ、いつしかウトウトと。気づくともう11時。まだ電気はきそうにありません。まあいいや、このままベッドで寝ちゃおう、気分もいいし。

まだまだこのあと、今まで経験したことのないような大変なことが続いたのですが、次の日は雨、霧雨の一日。とにかく大変な一日でした。

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