das Herz ...shottan

 

 

人妻H 加害者感性界の男 - 2005年01月05日(水)

やっぱり恋は盲目

今は三十路を軽やかに飛び越えた人妻H
二十代前半 まだ旦那様に出会う前
こんな恋をしていたわ・・・

と話してくれました


その時のHの彼はカメラマン
忙しい彼のために 
手の込んだお弁当を作ってあげたり
少しの時間でも大切にして
Hは一生懸命に恋をしていたそうです



そんなある日の深夜
彼K君から一本の電話がありました



K:「これから1時間くらい時間が空いたんだけど
   その間、会えないかな?」


Hは実家に住んでいました
そんな深夜に1時間のために出かけるなんてありえない



H:「うん!急いで支度して向かうね!!」


そう Hは恋をしていたんです


電車が走っていても30分はかかる距離
でも恋するHにはそんなもの目クソほどでもなかったんです


モーレツに銀座へ向かい
指定場所の交差点に到着

でも 見当たらない
彼がいるはずの車が見当たらないんです


ギリギリ携帯電話が一般に普及されていたその時代
もちろんメールなんて機能はありません

恋するHは愛しいK君に電話をしました


H:「今着いたよー、どこにいるのー?」
K君:「ここだよ。さっき言った場所にいるよ」
H:「あれ?おかしいなぁ、ちゃんとその場所に着たんだよ?」
K君:「早くおいでよ」


Hは深夜の銀座をただ歩く
愛しいK君の姿を求めて

H:「おかしいなぁ、場所が違うのかなぁ」


よい子悪い子普通の子で言えば 明らかによい子のH
もちろん行く先は交番です


H:「あの、○○交差点で友達と待ち合わせをしてるんですけど
   友達が見当たらないんです。
   ○○交差点って、ここであってますか?」


警察官A:「こんな夜中に?
      場所はここで合ってるけど、こんな夜中に呼び出すなんて…」
    
警察官B:「そんな友達なんか放っておいて家に帰りなさい」


そんな警察官の素敵なアドバイスも聞けないほど
人妻Hは 恋するHだったんです


しばらく歩いて探すけど やっぱり見つからない
そして再度 K君へ電話


H:「あのね、交番で聞いてね、場所は合ってるみたいなんだけど、
   どうしても探せないの。K君は今、どこにいるの?」


K君:「どうして僕を探せないの?ここにいるのに。
    Hちゃんが僕を感じてないから、僕を探せないんだよ。」


限られた空き時間 焦るH

H:「多分場所は合ってるんだけど…」

K君:「僕を感じてないからだよ。帰って!」

プッ ツー ツー ツー…



一人銀座に残された恋するH
とぼとぼと帰宅し 母に一通り報告

H:「彼に会いに行ったんだけど、会いたかったけど会えなかったの」


母:「会いたいなら会いに来いって言えないようなら、別れなさい」



うん お母さん間違ってないよね

そして感性が乏しいらしいHの恋は終わったのです




私はこの話を聞いて 
Y君と付き合っていた友達のSのことを思い出しました

それは深夜というより明け方に近い時刻
もちろんSは眠っていました

そこへ突然の電話


こんな時間に電話なんて急用かな?
そう思い Sは電話に出ました

S:「…もしもし?」
Y君:「もしもし、俺。これから会おうよ」
S:「え?これから?どうしたの?」
Y君:「とにかくあの場所で待ってる」

ツー ツー ツー…


いや ねぇ あの場所って言われても…
電話を切って 今のは無かったことにして二度寝に入るS

急用ならまたかかってくるよね
そう思いながら


ほどなくして再び鳴り出す電話

Y君:「ねぇ、着いた?俺は今着いたよ」



もちろん行けるわけ無い
こんな時間だし てか寝てたし

面倒だったSは適当にこう答えました


S:「うん、待ってるよ。どこにいるの?」
Y君:「あ、この場所がわかったんだね。会えてよかった…」

ツー ツー ツー…


もちろんSはベッドの中
いけない薬でもやってんじゃないかと疑ってしまいます
Y君はY君の脳内で一方的にSと会ったんでしょうね

でもSは そんなY君でも大好きだったんです
むしろ何か心配事でもあるんじゃないかと思ってみたり
そんな時でも電話をくれたことを嬉しく思ったり

今だったら速攻別れ話です
恋は盲目だね  似た話だね


そんな事を話しながら
私は何気に人妻Hに言いました

きっと人妻Hの彼のK君も その場所にはいなかったんだろうね



はっとする人妻H

H:「そうだったのかも…!!!」



本気で今ごろ気付きましたか
さすがです


H:「でも、そうね、彼アート系の仕事だし、感性が豊かだったんだよね」
一瞬だけ 
人妻Hが恋するHに戻ってしまったのかと錯覚しました


いや てか感性とかで片付けていい問題なんでしょうかねぇ




私はよく 自分の恥ずかしい過去を話す時に

「私の友達の話なんだけど〜」

とか言ってみたりします




Y君… 私も恋してたんだなぁ…
痛いです
心臓が






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