ヒビノコト
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2003年07月14日(月) えびのうた

今日はえびのように悲しい

室生犀星の「老いたるえびのうた」を
読みました。

犀星はこの詩を書いた約一ヶ月後、
七十四歳で亡くなられたそうです。

えびのように悲しい
詩人の言葉を使っての心の表現に敬服。


今日はえびのように悲しい

角やらひげやら

とげやら一杯はやしているが

どれが悲しがってるのか判らない。


ひげにたづねてみれば

おれではないという。

尖ったとげに聞いてみたら

わしでもないという。

それでは一体誰が悲しがってるのか

誰に聞いてみても

さっぱり判らない。


生きてたたみを這うているえび一疋

からだじゅうが悲しいのだ。



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