ヒビノコト
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今日はえびのように悲しい
室生犀星の「老いたるえびのうた」を 読みました。
犀星はこの詩を書いた約一ヶ月後、 七十四歳で亡くなられたそうです。
えびのように悲しい 詩人の言葉を使っての心の表現に敬服。
今日はえびのように悲しい
角やらひげやら
とげやら一杯はやしているが
どれが悲しがってるのか判らない。
ひげにたづねてみれば
おれではないという。
尖ったとげに聞いてみたら
わしでもないという。
それでは一体誰が悲しがってるのか
誰に聞いてみても
さっぱり判らない。
生きてたたみを這うているえび一疋
からだじゅうが悲しいのだ。
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