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| 2011年02月12日(土) なりたくないとなければいけないの話。 |
| 「ヨシミさんと話すと気分が楽になります」と、毎日いろんな患者さんから言われるので、手前味噌だが患者さんが私と話すと気分が楽になることは確かな事実であって、それが病気の経過に良い方向に働くことは確かなのだが、部下のナースは「ヨシミさんと話すとイライラする」と言う者もいる。 同じヨシミで似たようなことを話しているのに片や安心、片やイライラ。この違いは何なのであろうと考察したところ、私は常軌を逸した楽観思考であって、病者は概ね思考がネガティブに傾いているので極端な楽観的思考を与えた場合、悲観的な部分を底上げすることができる。そしてその底上げの幅が大きければ大きいほど得られる安心感の度合いも大きくなる。 しかし看護師という職業は基本的に悲観的でなければならない。なぜならあらゆる病気、あらゆる異常、あらゆる事故を想定して患者に接しなければならないから。あらゆる悲観的事項を想定して早期に発見することによって未然に症状を予防することができる。 もはや職業倫理とさえいえる看護師として形成された人格は矯正することが難しい。だから私は部下の個性を変えずにシステムを変える。職場で楽観主義でいこう! なんて叫んでも意味がないし不謹慎である。だから静かにシステムを変える。皆が働きやすいように。患者さんにもナースにも負担が掛からないように。 患者さんは、悲観的に「なりたくない」 看護師は、悲観的で「なければいけない」 だから楽観的思考を与えた場合、患者さんは安心するし、看護師は拒絶する。職場で皆がイライラしない世界を作るにはまずこのポイントを抑えることが大切。あとナースには美容院に行ったら「美容院に行ったの?」と直球で褒めずに、「何だか今日は感じが違うね」と、遠回りに言うことがなぜか効果的。 |
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