2011年05月23日(月)  ヴィシソワーズの薔薇。
 
職場の食堂。おかずなどが並べてある棚に、直径30センチほどの銀色のボールに入ったクリーム色の液体が入っており、「ヴィシソワーズです。ご自由にお召し上がり下さい」と書いてある。ご自由も何もヴィシソワーズとは何ぞ。今日の昼食は唐揚げである。唐揚げの皿にはポテトとグリーンアスパラが添えてある。もしかしたらヴィシソワーズとはこの唐揚げやポテトやグリーンアスパラにかけるソースのことかもしれん。滅茶苦茶オシャレな名前だし、フランス料理的なソースかもしれん。よって俺はこの唐揚げなどにフランス料理的な波を描くオシャレな感じでソースをかける。そして食す。そしたら唐揚げビッチョビッチョでおいしくなーい!
 
食べ始めてから同じテーブルに座ったナースにヴィシソワーズとは何ぞと訊ねると「ジャガイモのポタージュのことですよね」と当然のように言う。俺は唐揚げにスープをかけてしまったのだ。ポテトにジャガイモのポタージュをかけてしまったのだ。新たに食堂に現れたもう一人のナースにヴィシソワーズとは何ぞと訊ねると、「あれですよね。玉ねぎとかジャガイモの冷たいスープですよね」と、やはり当然の如く答える。
 
私がおかしいと思ったのは自分がした行動ではない。皆が当然の如くヴィシソワーズという言葉を知っているということなのだ。ナースステーションに戻り、私を師と崇める部下の男性看護師にお前ヴィシソワーズって知ってるかと偉そうに尋ねると、「まあベルサイユのばらの登場人物的なやつですよね」と、俺の部下になったものだからこのような悲しい発想になるんだ。
 

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