(SleepWalking)



みえない
 
夕暮れ時
空から蜜が滴り落ちて
雲が大きくのた打ち回る
時々耐えれずに振り落とすんだ
その雨粒
涙みたいにはらはらと
大粒の涙


遠くのほうから
誰かが呼んでる声がする
おぉい
こっちだ
こっちにおいで
さぁ
僕を
みつけてごらん


だけど声は
間違いなく空から降ってきている
錯覚
誰も
みえない
挑発的な甘い声が
どこかからこだまする
歩いても歩いても見つからない
そこには何もないんだ
きっと
そこはすべてを吸い込んでいる
小さく深い
穴なのだ

2004年07月16日(金)


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