にっき日和
おしながき前よむ次よむ


2002年07月31日(水) シャボン

昔、好きだった人の夢を見てしまいました。


二十歳だったか、二十一だったか・・・

もう、よく覚えてないけど、

とにかくその頃に好きだった相手です。

もうずっと長いこと、記憶のかなたにあったのに、

いったい今ごろどうしたことでしょう。


彼は・・・・

恋人ではなく、まして友達ですらなく、

ただの職場の先輩でした。

歳はひとつふたつ年上で、長身で、

ちょっと知的な雰囲気がありました。

彼に憧れる女の子も多かったようです。


告白しようなんて、まったく考えていませんでした。

他人に打ち明けたことすら一度もありません。

職場でたいした話をするわけでもなく、

ただ彼の姿を、目で追っているだけの毎日でした。

愛とか恋とか、そんな上等なものではないんです。

しいていえば、

中学生が憧れの先輩に抱くような・・・

その程度の片思いだったように思います。


そういえば、社内ディスコパーティーなんて催しがありました。

他の女の子とチークする彼の姿を、

遠くから悲しく眺めていた思い出があります。

どうせ私のことなんか、石ころくらいにしか見えてないのね・・・・

なんて、ひそかにイジイジ思いながら(爆)

(⌒-⌒;) ・・・・


だって、何百人もの若い女の子が働く職場でした。

キレイな女の子は、掃いて捨てるほどいたんです。

ただでさえ容姿コンプレックスがあった自分に、

勇気をもって告白するなんてこと、できるわけがないのです。


そのうちに、私は部署転換になり、

彼と顔を合わせる機会もなくなりました。

彼にも新入社員の彼女ができたと、

社内の噂で聞きました。


そうそう。

ゆうべの夢は、こんなでした。

彼と私が、職場で仕事の段取りを決めていました。

私はどぎまぎする気持ちを隠しながら、

彼に仕事の質問をしているのです。

日常の一部をそのまま切り取ったような、

なんてことはない夢でした。


けれど・・・・

私には、長い長い夢だったように思えたのです。

私はまだ二十歳そこそこで、

社会に出てまもなくて・・・

そして、はっと夢から目覚めたとき、

十数年の時の経過に、

呆然としてしまったのです。


あの会社を退職して、はや10年。

あの頃の同僚達とも、

いつしか音信不通になっています。


いくつかの会社を転々として、

いろんな出会いや別れを繰り返して・・・・

いまだ恋愛下手は、

克服できずにいるけれど。


いつか・・・・

ふたたびあんな想いを抱く日が来るのでしょうか。


視線が遭っては、どきどき・・・・

言葉を交わしては、わくわく・・・


遠くにあるからこそ輝いて見えるのは、

なにも、甘い記憶に限ったことではないのです。


浮かんでは消える、

シャボンのような想いに揺れていた、

あの、毎日。


もういちど戻れたら・・・

なんて、思うのです。






ぴょん

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