にっき日和
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あっというまに、通り過ぎてしまいました。
ことしの夏。
夏らしい青空は、数える程度しかありませんでしたね。
ここ数日、やっと暑さを取り戻したかのような残暑ですが、
秋は、確実に近づいています。
夏の楽しみといえば、家庭栽培の夏野菜たち。
きゅうりにトマト、なす、ゴーヤ、すいか・・・・
けれど今年は、冷夏のため実りはいまひとつ。
例年だったら、ご近所のおすそわけで食べきれない野菜が、
台所の床にゴロゴロ転がっていたものでしたが。
どれもこれも不作だった、我が家の野菜たち。
けれど、今年も期待を裏切らず、
みごとな実をつけてくれたものがあります。
ずんぐり大きな、冬瓜(とうがん)です。
日に日に、むくむく大きくなってゆく冬瓜は、
舌だけではなく、目にも大いに楽しませてくれます。
そして大きくなった頃合を見て収穫するのです。
実はつい最近まで、わたしと父は、
冬瓜って、あまり好きではありませんでした。
だって、これといって味はないし、ゴリゴリしてるし・・・・
お味噌汁の具に冬瓜が入っていると、
冬瓜好きの母に、ふたりでぼやいていたものでした。
ところが、去年の夏のこと。
家庭栽培の冬瓜が、初めて食卓に上ったときのことです。
その、やわらかでやさしい口当たりに、
目からウロコが取れた気がしました。
だって、お店で買ってきた食感とはまったく異なります。
それまで食べていたゴリゴリしたアレは
いったいなんだったのでしょう。
それからもうひとつ、楽しい発見がありました。
採れたての冬瓜の皮には、針のような長い毛が、
チクチク生えているということを初めて知ったのです。
「何をいまさら、都会っ子じゃあるまいし」
ひたすら感心する私と父に、母はそう言って笑っていました。
旬の野菜には、かないません。
美味しくて、しかも栄養があって・・・・・
安くて美味しい野菜が、たっぷりいただけるよう、
来年の夏こそは、おひさまに頑張ってもらいたいものです。
ぴょん
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