にっき日和
おしながき前よむ次よむ


2005年03月26日(土) 春雪

きのうの寒波はすごかったです。

お彼岸が過ぎたこの時期に、雪までちらついて・・・・

このあたりでは、真冬でも、めったに降らないのに。

春雪、なんて呼ぶと風流な趣がありますが、

やっぱり異常気象ですよね。



昨日から母が旅行に出かけ、

今日は、父とふたりだけの休日を過ごしました。

と言っても出不精の父のこと、どこかへ出かけるわけでもなく、

ただ家で、のんびり過ごしていただけですけど。

南向きの廊下で、好きな本を読みながら日なたぼっこをする。

こんなお天気の日は、

いつもなら母が庭の手入れをすることでしょう。

かたわらに、美味しい和菓子とお茶でもあったなら、

それだけで至福の時間が過ごせます。

両親とわたしの、いつもの休日。



子供の頃から住んでいるこの家は、すでに老朽化しております。

いまではすっかり住宅密集地になってしまったこの界隈ですが、

なぜか我が家の周りだけ、

ぽっかりと田畑が残っております。

周囲のお宅は次々と新築し、お嫁さんが来て孫が生まれ、

それぞれ家族構成が変わってきているのに、

あいかわらずわたしは、この家の娘なのです。

そして時間が止まったかのような、この古い木造家屋に、

両親と住み続けているのです。



この年になるまで嫁に行かない(行けない??)わたしを、

世間ではあれこれ言う人がいます。

老後はどうするの?とか、子供のいない人生がどんなに虚しいものか、

とくとくと語る人もいます。

父や母は、いつかわたしより先に逝ってしまうでしょう。

誰にも看取られず死んでゆく、一人暮らしの老人の話は、

他人事ではないと思います。

将来に不安はありますが、いまどきの日本人で、

老後にまったく不安を感じない人こそ、まれではないでしょうか。



結婚するから、幸せですか?

お金があるから、幸せですか?



父や母と過ごす、静かな生活。

誰一人欠けることなく、家族は皆、健康だし、

少ないながら、良き友人たちもいます。

このかけがえのない毎日が、

一分一秒でも長く続くことを祈っているのです。



昨日の春雪はどこへやら。

ひんやりとした外気に、冬の余韻を残しておりますが、

きょうの陽射しは、春そのものです。



きょうわたしは、四十歳になりました。









ぴょん

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