にっき日和
おしながき前よむ次よむ


2005年06月04日(土) 花庄屋の休日


久しぶりの土曜休みです。

ここのところ土曜日は、ずっと休日出勤が続いておりましたので、

たまにはドライブなぞ、楽しみたい気分でありました。

けれど、あいにく今日は朝から、どんより曇り空。

いまにも空が泣き出しそうなお天気です。

雨が似合うお花といえば・・・・そう、紫陽花。

相良町の大鐘家(別名・花庄屋)は、

紫陽花のお庭が素敵だと聞きます。

ちょうど今は、あじさいまつりが催されているはずです。

http://www3.tokai.or.jp/oganeke/



海岸沿いの道路から、少し山側の道に入ると、

大鐘家の看板が建っておりました。

個人のお宅を開放しているのだと聞いておりましたが、

観光バスなども立ち寄る大きな駐車場が完備されております。



さてさて、お目当ての紫陽花はというと・・・・・・

なんと!・・・・・・ほとんどが、つぼみでありました。

あらあら、がっかり。(; ̄- ̄;)

よく手入れされたお庭には、

紫陽花のほか菖蒲なども植えられておりましたが、

いずれも、薄いみどり色のつぼみばかり・・・・・

今年は天候不順で、開花がだいぶ遅れているそう。

ま、しかたないですよね。

お花は、わたしたちの都合に合わせて咲くわけじゃありませんもの。


気を取り直し、

重要文化財に指定されている母屋の見学をいたしました。

こちらは400年前の建物だそうで、なかなか立派なもの。

黒光りする柱に風格を感じます。

少し前に読んだ、坂東真砂子の小説を思い出しました。

彼女の作品の舞台には、こんな旧家がよく登場するのです。

土俗的なドロドロした坂東ワールドに、

瞬間すべりこんでしまったかのような錯覚がいたします。



土蔵を利用した資料館には、先祖代々大鐘家の人たちが使用していた、

生活の道具などが展示されておりました。

ちょっとおもしろかったものに、

大正時代の英語の教科書なんかがありましたっけ。

このおうちには、むかしむかしの人々の暮らしの痕跡が、

あちらこちらに存在しております。

ご先祖様を敬いなさいって、お年寄りはよく言いますけども、

わたしには、あまりピンとこないのです。

だってそうでしょう、位牌だけのご先祖様では、

自分たちの存在が、

たしかに先祖と繋がっているという実感が持てないのですから。



人々が、下駄や草履で歩いていた時代から、

合皮のサンダルでアスファルトを闊歩する現代まで・・・・

この薄暗い家屋には、

時間が幾層にも積み重なっているのです。



大鐘家を出て、もと来た海岸道路を引き返しました。

もったりもったり・・・・

灰色の海が、重たそうに波を引きずります。

雨が、ざざーっと降り出さぬまに、

早めにおうちに帰ることにいたしましょう。


・・・・・もうすぐ、梅雨です。








ぴょん

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