パンドラの箱
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惹かれあう理由はわからない。 お互いをもっと知りたいと言う欲求。 お互いの内面に触れたいと言う欲求。 お互いが分かり合えてしまう不思議。 例え、黙して、語らずとも。
でも。 何かが違う。 これだけ惹かれあうのに、それは同一線上のものではない。 不可侵な領域をもってしてもなお、惹かれてやまないのに。 お互いに決して、自分のものにしたいとは思わない。 お互いに決して、共に生きたいとは思わない。
「初めてなんです。こんな風に内面をさらしてしまったのは」
「いつも強がっているけれど、自分の中にあるこんな部分を引き出されてしまって。とても不思議です」
そう彼が言うのを、感情を動かされることなく、至極当然に受け入れてしまうのは、なぜなんだろう。
愛でも、恋でもなく、誰かを想う気持ちがあるなんて知らなかった。
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